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◆黒きくらげ

 薬膳では老化防止や血の浄化、免疫力アップに効果のある黒きくらげ。白と黒とがあり、それぞれ効果が違います。生のきくらげは耳のような形をしていますが、乾燥した状態で流通されることが多い食材です。乾燥したきくらげは、水で戻してから使用しましょう。

 黒きくらげはさまざまな効果のある優秀食材ですが、その中でも血に関係する不調症状を改善する効果が特徴です。血便や、鬱滞した痔の症状にも効果的があるとされています。椎茸とともに煮込み、常備菜として毎日少しずつ食べてもいいでしょう。

◆白きくらげ

 体を潤す効果が高いと言われるきのこが白きくらげです。中国では「銀耳(ぎんじ)」と呼ばれ、料理だけでなく、デザートにも利用されています。肌を潤す効果が高いとされることから、高級美容食材として古くから食べられていたと言われています。

 黒きくらげと同様に、乾燥状態で販売されているので、水で戻してから使用します。水戻し後に細かく刻んでサラダに入れたり、さっと火を通して食べるとコリコリ食感を味わえます。コトコトと弱火でゆっくり茹でながら戻すことでトロトロの食感に変わるので、お好みの食べ方で調理することができますよ。

きのこを食べて、秋を元気に過ごそう!

 秋は夏の暑さが落ち着き、気候も過ごしやすく、行楽を心地よく楽しめるシーズン。紅葉や旬の食べ物を味わいに、外出する機会も多いでしょう。今回ご紹介したきのこは、体の免疫力を上げて秋の不調を予防できる食材です。

 毎日の食事に取り入れ、コツコツ健康貯金を貯めてみてはいかがでしょうか? 冬に備えて体を整えておくことも、元気に1年を締めくくるコツですね。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

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Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2024.10.24(木)
文・撮影=さとうあい