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 都心から約2時間でたどり着く山岳リゾート「リゾナーレ八ヶ岳」。世界的な建築家マリオ・ベリーニが手掛けた、イタリアの山岳都市を思わせる街並み「ピーマン通り」の美しさは今も色褪せず、多くの人で賑わっています。前篇では、総支配人・髙橋伶央さんへのインタビューをもとに、ピーマン通りの魅力を中心にご紹介します。


回遊する楽しみを生んだ「ピーマン通り」

 2001年に星野リゾートが運営を開始した「リゾナーレ」ブランドの第1号が現在の「リゾナーレ八ヶ岳」。かつて会員制ホテルだったこの施設は、世界的な建築デザイナーであるマリオ・ベリーニ氏が手掛けたもので、木材や石材などの自然素材を多用し、今では実現不可能と言われるほど贅沢なつくりになっています。

 とはいえ、同社が運営を引き継いだ当初、このエリアは観光地としてはまだマイナーな存在だったそう。「ならばこの施設自体を観光地にして、もっと幅広い層のお客様に通年楽しんでいただける“大人のためのファミリーリゾート”にしようという方針が固まりました」と、総支配人の髙橋さん。

 さまざまなコンテンツをアップデートしていくなかで、大きく変えたのが現在の「ピーマン通り」でした。

「それまで客室だった1階を店舗用テナントにし、八ヶ岳らしいお店に入ってもらうことで、宿泊のお客様だけでなく、界隈に別荘をお持ちの方や地元の方など外来のお客様にも来ていただけるようになりました」

 今では、季節ごとのイベントやポップアップで通年賑わうピーマン通り。夏の恒例イベント「八ヶ岳マルシェ」は、今年で16年目を迎えたとか。※今年は8月24日(日)まで。

「ここ山梨県北杜市は昼夜の寒暖差が大きく、日照時間が長く、年間の降水量が少ないという気象条件のもと、おいしい野菜が育ちます。東京のスターシェフにも、このエリアの野菜を使いたいという方は多く、レジェンドと言われる生産者さんもいる。そんな八ヶ岳の野菜のおいしさを、もっとたくさんの方に味わっていただきたいという思いで始めたイベントが『八ヶ岳マルシェ』です」

 八ヶ岳マルシェでは、地元の生産者の方とふれあいながら鮮度抜群の野菜を購入したり、その場で味わうことも可能です。野菜以外にも生活雑貨などの屋台も点在しているので、ときどきカフェに入ったり、ベンチで休憩しながら、のんびりとショッピングを楽しむことができます。

2025.08.09(土)
文=伊藤由起
写真=橋本 篤
写真協力=リゾナーレ八ヶ岳