ひたすらのんびり湯に浸かる楽しみに加えて絶景ははずせない、料理がおいしくなくちゃイヤ、素敵な調度品を愛でたいなど宿に求める優先順位は十人十色。
旅のプランを立てるときにも到着してからも、思い描いた気分にぴったりの温泉宿へ。
東海道の文化に育まれた“箱根ごこち”を体感
●宿場町 × 界 箱根[神奈川・箱根湯本温泉]
江戸の昔から東海道を行き交う旅人をもてなし、癒してきた箱根湯本温泉。
その賑やかな温泉街を抜け、須雲川をさかのぼった山間の地にあるのが「界 箱根」だ。大規模な改装のため約1年間の休業を経て、2025年8月に再オープンした。
須雲川に面した全34室は、すべてご当地部屋「箱根ごこちの間」。
リニューアルした客室には、三度笠などの旅道具をモチーフにしたアートや伝統工芸の寄木細工などがあしらわれている。
窓に切り取られた湯坂山は四季折々の表情を見せ、川のせせらぎとともに穏やかな時間を紡いでいく。
大浴場は、壁一面の開口を借景にした半露天風呂。泉質はナトリウム‐塩化物温泉で、短時間でも体の芯までしっかり温まり、肌をなめらかに整える。
同じく箱根にある「界 仙石原」の温泉は、やや刺激のある酸性なので、仕上げ湯としてこちらでもう1泊、という楽しみ方もいい。
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- Text=Yuki Ito
Photographs=Takashi Shimizu - keyword
CREA Due 2026年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。










