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◆さくらんぼフォレノワール
6月に登場した「さくらんぼフォレノワール」は、キルシュ漬けのさくらんぼを使ったフランスの伝統的なケーキ「フォレノワール」を、日本のさくらんぼを使ってパフェに仕立てたひと品。
羽衣のようなグロゼイユのチュイールがトップを華やかに彩り、カカオ分70%のアマゾンカカオのソルベのまわりには、チョコレートのコポー(細く丸まった形に削ったチョコレート)や、砂糖掛けしたアーモンド、クレーム・シャンティイ、フレッシュなさくらんぼがあしらわれています。
「さくらんぼは、山梨県産の紅秀峰を使用しています。大粒で、果実味たっぷりで気に入っています。アマゾンカカオは、フルーティで酸味もあり、ベリー系ととっても相性がいいんです」と、石内さん。その下には、薄いディスク状に焼き上げた杏仁風味のメレンゲが敷かれ、軽やかな食感をプラスします。
グラスの中には、甘酸っぱいさくらんぼのグラニテ、卵不使用ですっきりとしたキルシュミルクのジェラートが。
「さらにその下には、酸味が強めの早生のさくらんぼ『紅秀峰』をキルシュ漬けにして、フレッシュな紅秀峰とともに入れました。キルシュ漬けのさくらんぼのしっかりお酒が効いてじゅわっとした感じが、私自身、すごく好きなんです。キリっと華やかなアクセントになっているかと思います」。
グラスの底で層を織り成すのは、赤シソとシェリーシュビネガーのジュレ、蓮茶ジュレ、杏仁ブランマンジェ、フランボワーズとグロゼイユのソース。色合いも鮮やかで美しく、すっきりした酸味と香り、やさしい甘みとミルク感が豊かな果実味と混じり合い、華やかなフィナーレをもたらします。
「夏なので重たくならないよう、チョコレートはすっきりしたソルベにし、後にはサクランボのケーキを食べ終えたような満足感が広がるように仕上げました。苦みとフレッシュな果実味から始まり、甘い香りやミルクとのマリアージュが楽しめ、最後はジュレですっきり終わるイメージ。そのなかにさまざまな食感を散りばめました」と、石内さんは話ます。
そばに添えて提供されるチョコレートとクローブ、キャラメルのソースは、途中でかければ、まろやかな甘さとスパイシーさが加わり、フルーツケーキのような深みある味わいに。異なる表情が楽しめます。
おすすめのペアリングドリンクは、「コーヒートニック」。挽き立て・淹れ立ての深煎りコーヒーに、トニックウォーターとすりおろしたライムの皮が加えられています。すっきりした飲み口で、青みのある香りと苦みがパフェとマッチし、さくらんぼの果実味を引き立てます。
「パフェの楽しさは、いろいろなところにスプーンを入れて、いろいろな味わいが楽しめるところだと思っています。フルーツとジェラートだけではなく、パティシエの技を生かしてつくられたパーツがいろいろ入っているのも、『Maison heureux』のパフェのポイント。できれば上から下へと順に味わうのではなく、全体をいっぺんに味わってもらいたいんです」と、石内さん。
店内では焼き菓子や生菓子も販売されており、不定期でパフェの代わりにかき氷4種類を提供する「かき氷day」も開催。季節を追って何度も通いたくなる、期待のニューフェイスです。
Maison heureux(メゾンウル)
所在地 東京都江東区白川2-14-2 レーベル1F
電話番号 03-4400-2064
営業時間 12:00~18:00(L.O. 17:00)
定休日 日・月曜
instagram @maison.heureux
名作パフェ図鑑
2024.06.26(水)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵
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