この記事の連載
美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。
グラスの中で醸し出されるハーモニーは、まさに“parfait”(フランス語で「完璧」の意味)!
このシリーズでは、今注目の心躍る魅力的なパフェをご紹介します。
日本各地の素材を魅力的なパフェに
旬の素材を主役に多彩なパーツを繊細に重ねた、月替わりの「シーズナルパフェ」が多くのファンを虜にしている、「メゾン ビヤンネートル」。
アーチ型の大きな窓から光の入る心地よい空間で、重なり合う素材のハーモニーをゆっくり堪能できます。
オーナーシェフの馬場麻衣子さんが目指すのは、「ここでしか味わえないスペシャルなおいしさ」です。レストランでパティシエとして培った経験を活かし、「テイクアウトでは味わえないレストラン・デザートの特別なおいしさを、そのままグラス仕立てにしたパフェをつくりたいと思いました。みなさんに安心して安全なものを召し上がっていただけるよう、添加物は極力使いません」と、馬場さんは語ります。
今回は春のパフェ2品をご紹介しましょう。
◆苺/ラベンダー/アールグレイ
艶やかな春を感じさせる洋の味わいと香りを閉じ込めた「苺/ラベンダー/アールグレイ」です。主役となるイチゴは全部で5種類。てっぺんにのせた「ペリーポップはるひ」、中間の「赤い雫」、グラスの底を彩る「あまりん」は、フレッシュなおいしさをそのままに。「紅ほっぺ」はプレザーブに、「あまおとめ」はジェラートに仕立て、果実感たっぷりにそれぞれのイチゴの食べ比べが楽しめる構成となっています。
そんなイチゴの甘酸っぱさをふわりと包むのが、ラベンダーヨーグルトのジェラートや、ベルガモットラベンダークリームから漂うやわらかな花の香り。美しく散りばめられたカシスのメレンゲやシナモンロイヤルミルクティーのグラニテも相まって、エレガントなハーモニーにため息がこぼれます。そして、グラスの底ではローズマリーとラベンダーのジュレ、アールグレイのブランマンジェが味わいと質感の濃淡を織り成し、華やかなフィナーレへ。
清涼感のある後口も素敵です。「まずはイチゴの味を楽しんでいただきつつ、ラベンダーを合わせて思いっきり華やかな香りにしようと思いました。そこにコントラストを加えたくて、深みのあるアールグレイを合わせました」と、馬場さん。
2024.04.13(土)
文=瀬戸理恵子
写真=釜谷洋史