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 来年には記念すべき10年周年の節目を迎える人気怪談チャンネル『禍話(まがばなし)』。生配信サービス「TwitCasting」で毎週土曜日の深夜に語られてきたオリジナル怪談は、通算1000話を軽く超える大ボリュームで、そのどれもが語り手の書店員・かぁなっきさんの軽妙な口調とは裏腹のおぞましいものばかり。

 そんな『禍話』から今回は、とある有名ネット怪談を思わせる実に気味の悪い“しきたり”に巻き込まれた、とある女子大生が体験したお話をご紹介――。

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借金で首が回らなくなりアルバイトを探すと……

 当時大学2年生だったAさんは第一志望に落ち、彼氏とも別れ、ヤケクソ気味にカードローンに手を出して気がつけば首が回らなくなっていたそうです。

 そんなAさんでしたが、サークルで実入りのいいバイトがないか聞いていると、先輩が高額バイトに詳しいOBと知り合いで、その人に働き口がないか聞いてもらえたのだとか。そうして紹介してもらったのが、山中にある旅館のお手伝いのバイト。

 まあ、大学があった都心から電車で1時間半もかかる他県の山中というのには多少悩んだそうですが、交通費に加えて旅館から駅までの送迎もあり、何よりバイト代の気前の良さもあって、正式に受けることにしたそうです。

2025.08.09(土)
文=むくろ幽介