この記事の連載
ドラマ化、書籍化、コミック化と様々なメディアで人気拡大中の怪談語りチャンネル『禍話（まがばなし）』 。2016年の開始以来、書店員である語り手のかぁなっきさんと、聞き手であり彼の後輩の加藤よしきさんのコンビで、実に1000話を軽く超えるオリジナルの怪談を発表し続けてきました。
今回ご紹介するお話は、かぁなっきさんが25歳の男性から聞いた、とある奇妙なVHSテープにまつわる不気味な出来事です――。
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突然目を覚まし、見たものは……
夜中、Uさんは気配のようなものを感じ取って目を覚ましました。
起き抜けのぼやけた焦点を必死に合わせていくと、横から差している光が天井をチラチラと照らしていることがわかりました。
ああ、テレビ点けっ放しで寝ちゃったか――途切れそうになる意識に喝を入れて体を起こそうとしたとき、体が全く動かないことに気がつきました。
“金縛り”だ……心臓がドクンと音を立てて緊張が走りましたが、本当に恐ろしかったのは、直後に気づいたある違和感の方でした。
テレビを点けたまま寝たのなら、なんで音がしないんだ。
Uさんは視線をベッドの右側、テレビが置いてある方に向けると、中学校1年生くらいの女の子が膝を抱えてベッド脇に座っているのが見えたそうです。
2025.08.12(火)
文＝むくろ幽介
