この記事の連載
◆安政柑/桜/煎茶
3月に登場したのは、春を彩る和素材を主役にした「安政柑/桜/煎茶」です。さわやかで甘みのある安政柑(文旦の一種)の華やかな香りに花の香りを合わせたいと、オーナーシェフの馬場麻衣子さんが選んだのは、桜。そこに煎茶のほろ苦さを加えて全体を引き締め、安政柑の皮の心地よい苦みに寄り添わせれば、色美しく、春の香りいっぱいのひと品に。
味わいの中心となるのは、清々しい安政柑のジェラートと、ほろ苦く深みのある煎茶とレモングラスのジェラートです。間には、味のアクセントとしてローゼル、ジャスミン、酒粕のグラニテとヌガティーヌを。さらに、桜餡のフロマージュクリームや、桜葉とヨーグルトのメレンゲ、桜が香る韃靼そばとホワイトチョコレートのロッシェ、安政柑ピールの糖衣がけなど、さまざまな食感、味、香りを散りばめて、まるで宝石箱を開くような楽しさとおいしさに。
グラスの底からは、杏仁とマスカルポーネのブランマンジェと、桜と白ワインのジュレが現れ、香り高くすっきりとした余韻を引き出します。「かわいらしい見た目とは裏腹に、味わいはメリハリがあって大人っぽく、ギャップも楽しいパフェに仕上げてみました」と、馬場さんはいたずらっぽく笑います。
素材や生産者への思いも深く、できるだけ自らの足で各地の農園を訪ね、「(考え方や姿勢に)共鳴できる」生産者から直接、素材を仕入れるという馬場さん。
「その素材が育てられている環境や味わいを体感するとともに、生産者の方々の思いをくみ取って、添加物も極力使わずに、素材そのもののおいしさを大切にしながらパフェやお菓子をつくりたいと思っています。なにより、新しい食材に出合うことも、パフェをつくることも私にとっては楽しくて、いつもワクワクしてしまうんです。ここでしか味わえないスペシャルなおいしさを、みなさんにもワクワクしながら楽しんでいただきたいと思っています」
メゾン ビヤンネートル
所在地 東京都渋谷区上原1-17-11 3階
電話番号 03-5738-8827
営業時間 11:00~19:30(L.O.18:30)
定休日 不定休
Instagram @bienetre.maison
名作パフェ図鑑
2024.04.13(土)
文=瀬戸理恵子
写真=釜谷洋史
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