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美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。
グラスの中で醸し出されるハーモニーは、まさに“parfait”(フランス語で「完璧」の意味)!
このシリーズでは、今注目の心躍る魅力的なパフェをご紹介します。
パリのショコラティエのパフェはここだけの味
フランス・パリ郊外のサン・ジェルマン・アン・レーにお店を構え、フランスの伝統的な製法を引き継ぎつつ、独自の表現を加えて進化させたショコラが高い評価を集める、「パスカル・ル・ガック」。2019年には東京・赤坂に「パスカル・ル・ガック 東京」がオープンし、日本でも多くのファンに愛されています。
ブティックに併設されたサロンで、春から秋(4月~11月頃)に味わえるのが、花が開くような姿が美しい「パルフェ フルーリー」です。
パフェグラスの上にのせられたチョコレートの花は、溶かしてテンパリングしたチョコレートを薄くのばしてから、パレットナイフで縞模様をつけ、カーブを付けて冷やし固めた花びらを、丸く抜いた薄いチョコレートの上に1枚1枚手作業で組み立てたもの。
ショコラトリーならではの繊細な技が光るシグナチャーメニューとして、新しい味わいの表現やブラッシュアップを加えつつ、常時2種類が提供されています。
◆パルフェ フルーリー・ショコラ
力強いカカオの風味とフルーティーな酸味が特徴的な、ペルー産アマゾンカカオを随所に使用し、カカオのおいしさを心ゆくまで楽しめるのが、「パルフェ フルーリー・ショコラ」です。
チョコレートの花の中心にはカカオニブの糖衣掛けとチョコレート風味のクレーム・シャンティイが。それを割ってグラスの中へと進むと、パリパリとしたアマゾンカカオのカカオニブのチュイルとアマゾンカカオを使った薄い飴、アマゾンカカオのソルベが織り成す繊細な層の下から、風味が濃厚なチョコレートのアイスクリームが現れます。
その周りを囲むのは、アマゾンカカオのプティ・シューとザクザクしたカカオニブ入りのシュトロイゼル。最後はチョコレート風味のクレーム・シャンティイと、アマゾンカカオのカカオハスク(カカオの外皮)の風味を抽出したジュレが混じり合い、満足感とともに香り高くすっきりとした後口をもたらします。
「途中まで召し上がったら、お好みでこちらをどうぞ」と、スーシェフ・パティシエの高梨紗英さんが差し出したのは、塩と黒コショウ! かけてみると、味がキリッと引き締まり、カカオの風味も際立って、ぐんと大人味に。異なる表情が楽しめます。
2024.04.17(水)
文=瀬戸理恵子
撮影=鈴木七絵