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美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。
グラスのなかで醸し出されるハーモニーは、まさにparfait(フランス語で「完璧」の意味)!
今回は、等々力の人気店による宝石のようなパフェをご紹介します。
グラスの中に光を…ジュエリーのようなパフェ

フランス語で“宝石”を意味する「ビジュー」の名のとおり、宝石のような美しさと、贅沢かつ多彩な味わいで多くのファンを魅了する、等々力「PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)のパルフェビジュー®。
誕生のきっかけは、博物館や美術館に並ぶような歴史的・芸術的なハイジュエリーをイメージしたデザートをつくってほしい、との依頼を女性誌から受けたことだったそう。
「光がなければキラキラしないので、背の高いグラスに果物やジュレを層にして入れたのが、パフェのスタイルになった理由です。光の屈折でいろいろな色に見えるジュエリーの輝きを表現しました」と、シェフパティシエールの岩柳麻子さんは話します。

主役となるのは、たっぷりと盛り込まれた季節を彩る旬の果物(ときに野菜)です。そこに多種多様な素材を合わせて複雑みと面白さを表現し、最初から最後まで飽きることのない唯一無二の味わいをつくり上げています。
「同じ素材であっても、毎年違うものを併せて、新しい味わいを作るようにしています。月日が流れれば時代も変わり、自分の舌で感じるものも変わっていきます。そうすると、去年と同じものをつくってもピンとこないこともあるから、生み出す苦しさを感じながらも、やっぱり毎年ベストなものを作りたい。翌年には、それを超えるベストを作らなくてはいけないから、また苦しいのですけれど」と笑う、岩柳さん。
その味を求めて、新作が出るたびに全国各地からファンがお店を訪れ、目にも舌にも麗しいパフェとともに特別なひとときを楽しんでいます。
2025.08.23(土)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵