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◆パルフェビジュー® 和梨×台湾

8月半ばから提供がスタートしたのは、岩柳さん自身が7月に台湾を訪れ、レストラン「LiLinLi(栗林裏)」と行なったコラボレーションからインスピレーションを受けた、和梨のパフェです。
「そのときに、オーナーシェフのWiseさんがやっていた組み合わせが面白くて。彼が使っていた多彩な台湾の食材を和梨と合うように加工して、取り入れてみました」と、岩柳さん。

清々しい趣でグラスの上に盛り込まれているのは、和梨山椒へべすソルベと、みょうが、マーガオ飴、スナップエンドウ、セルフィーユ、白胡椒シュー、ぶどう山椒サブレです。どれも意外な組み合わせ! それでいて個性的で清涼感のあるスパイスがみずみずしい和梨とマッチして、心地よい調和を醸し出します。
グラス中へと食べ進めると、現れるのは、奥深い香りと味わいの阿里山高山茶ジェラートと、香ばしいピーナッツきな粉クラックラン、香り豊かなグアバ山椒ジュレ、薄切りにしたシャキシャキの和梨とシャインマスカット。
その下から、焼き和梨と自家製梅のコンポート、コリっとした白木耳(キクラゲ)のシロップ漬け、カッサータが顔を出し、もちもちのフングエ(黒糖を使ったお餅)が食感のアクセントを添えて、初めて体験する味わいと、新しいのにどこか懐かしいオリエンタルなハーモニーに心が躍ります。

驚きはまだ続き、グラスの底には白ゴーヤのシロップ浸けとマリネ、レモンジュレ、和梨梅コンポートが層を成し、すべてをまとめるかのようなすっきりとした後口でフィニッシュ。おだやかな余韻に包まれます。
「味が淡く感じられる和梨ですが、まったく違う素材と合わせても意外に負けず、和梨そのものの風味が引き立って、新たな楽しさが出てくるのが面白いと思います」と、岩柳さん。
2025.08.23(土)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵