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◆パルフェビジュー® とうもろこし ラシーヌ

 夏になると登場するのが、とうもろこしのパフェです。今年はすでに完売となってしまいましたが、とうもろこしの原産地とされる中南米のメキシコの文化や歴史的背景から着想を得て、かの地の食材やサルサのような味わいをプラスしたパフェが好評でした。

 トップを飾るのは、主役となる北海道産のとうもろこしと、そのソルベ、ヨーグルトとキュウリのサジキソースを塗ったトルティーヤチップ、トウガラシを思わせるフリーズドライのししとうです。パリパリに焼き上げた春巻きの皮にとうもろこしのディプロマットクリームを塗り、ヤングコーンやとうきび餅、乾燥させたとうもろこしのひげをのせた「シュマン とうもろこし」も添えられ、味わえば一気にラテン気分!

 「最初に食べていただいても、お皿の上に取り置いてよきタイミングで召し上がるのもよいかと思います。別添えのチリパウダーも、お好みのタイミングでかけて味の変化を楽しいでいただければ」、と、岩柳さん。

 その下から現れるのは、とうもろこしと相性抜群の甘じょっぱいししとう味噌のジェラートです。歯触りのよいとうもろこしのクラックランがアクセント。

 さらには、清々しさあふれるライムミントスカッシュジュレ、キャラメリゼしたバナナとライムサワークリーム、パッションフルーツのシブースト、パッションガナッシュととうもろこしのバスクチーズケーキも現れて、カクテルのようなにぎやかさ。さまざまな香りや果実味、酸味、甘み、塩け、コク、食感が口の中で混じり合い、思いがけない調和に驚きや発見がいっぱい。楽しさが弾けます。

 そして、薄いチョコレートで仕切られた空間の下には、とうもろこしサルサとレモンジュレ、フレッシュなとうもろこしのソースが。塩けと酸味でひと呼吸置き、とうもろこし本来のピュアな味わいを堪能して締めくくるという演出が心憎く、全体を通じてとうもろこしの果実感や甘み、食感をさまざまな角度から楽しめるひと品となっています。

「単に味を楽しむだけでなく、予約して、パフェや季節に合わせた装いをしてお店を訪れ、パフェを味わうというひとつの体験として楽しんでくださるお客様が多くいらっしゃるのは、とても素敵なことです。みなさんに思い思いに楽しんでいただき、その一日が豊かになるような時間を過ごしていただけたら、うれしく思います」

PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)

所在地 東京都世田谷区等々力4-4-5
電話番号 03-6432-3878
営業時間 11:00~18:00
定休日 月・火曜
※パフェはオンライン予約のみ。
https://shop.asakoiwayanagi.com/

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2025.08.23(土)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵