アートピースのような琥珀糖

 外に出れば蒸し風呂のような暑さの夏に、涼やかな見た目で心を和ませてくれた和菓子を紹介させてください。

 富山にある老舗の和菓子店「薄氷本舗 五郎丸屋」。代表作は、極寒の富山で水たまりに張られた薄氷にパキッと亀裂が入った姿を模した砂糖菓子「薄氷」です。鋭利な切れ目から、富山の冬の厳しさが漂います。その美しい見た目と優しい味に、民藝運動の中心人物・柳宗悦も夢中になったのだそう。

 今回、一目ぼれし、衝動的に購入してしまったのが五郎丸屋の琥珀糖「きせつのさがしもの(夏色)」。お菓子の宝石と称えられることの多い琥珀糖の中でも、透明度が非常に高く、群を抜いた美しさだったのです。

 まるで繊細なカッティングが施されたガラスの工芸品のような……そう思うのも当然で、きせつのさがしものは、五郎丸屋の十六代目・渡邊克明さんがガラス作家・山本真衣さんの作品「Breeze」に感銘を受け、その造形を精緻に再現したもの。

 一粒口に入れてみると、ガラスを食べてしまったような背徳感と、懐かしさを感じさせる穏やかな甘み、カクテルフレーバーが醸す高揚感が口に広がり、ひたすらに楽しかった遠い夏休みを追体験するような、不思議な感覚に包まれたのでした。

 目も舌も心も喜ぶかけがえのない時間をぜひ。

薄氷本舗 五郎丸屋

所在地 富山県小矢部市中央町5-5
電話番号 0766-67-0039
営業時間 9:00~18:00(日曜日は17:00まで)
定休日 月曜日
https://goromaruya.com/