この記事の連載
美しく華やかで、おいしいものが彩り豊かに閉じこめられたパフェ。その人気は止まるところを知らず、美しさも味わいも日々磨きがかけられ、進化しています。
グラスのなかで醸し出されるハーモニーは、まさにparfait(フランス語で「完璧」の意味)! 心躍る魅力的なパフェをご紹介します。
今回は中野坂上にあるショコラティエ「ROND-POINT(ロン・ポワン)」へ。ペアリングも楽しめます。
扉の向こうにある甘いもの好きのための隠れ家
まるでカクテルのようにハチミツやハーブの香りを繊細に取り入れた、素材の風味鮮やかなボンボン・ショコラが力強いインパクトを放つ、東京・中野坂上のショコラトリー「ROND-POINT(ロン・ポワン)」。カカオの風味際立つ焼き菓子や、緻密に構築された味わいが光る生菓子も人気を集めています。
そのスタイリッシュな店内にあるのが、ぱっと見ただけではわからない秘密の隠し扉。その先にはなんと、5つのハイチェアーが並ぶシックな装いのバーが現れます。 ミクソロジーカクテルに興味を持ち、バーに通ったり本を読んだりして勉強を重ね、バーテンダーから基本的なテクニックも学んだ経験を持つ、オーナーシェフ・ショコラティエの田中丸博文さん。
「カクテル的な発想は、とてもおもしろく、チョコレートにも取り入れています。カクテルをつくるのも好きですし、フランスのレストランで働いた経験から、デザートをつくるのも好きなので、自分でお店をやるならばバーをつくりたいし、お客様の目の前でデザートを提供できる場所をつくりたいと思っていました」と、田中丸さん。
そして、昨年(2023年)11月からは、パフェの提供をスタート。それまではデザートコースを提供していましたが、もう少しライトに楽しんでもらいたいと、パフェに。
「パフェも、ずっとやりたかったんです。デザートコースよりもライトとはいえ、僕らしくちゃんとつくりこんだパフェにしたい。僕がカクテルで味わっているようなわくわくするものを、パフェで体感していただきたいと思っています」と、田中丸さんは話します。
季節の素材を主役にしたパフェは、常時2種類。ペアリングのドリンクもアルコール、ノンアルコールともに用意され、ときにはオリジナルのカクテルも。その他、さまざまなお酒やこだわりのお茶やスペシャルティコーヒーも味わうことができ、大人なパフェの楽しみが広がります。
2024.08.10(土)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵