ポルトガル北部の山間を流れ、最後にはポルトに辿り着くドウロ川。
世界3大酒精強化ワインの一つであるポートワインの歴史を感じながらワインエステートでの滞在、水に浮かぶレストランなど渓谷の物語を旅する。
ポートワインの歴史を携えた銘醸
歴史ある農園を受け継いだドウロワイナリーでのステイ
◆Quinta Nova de Nossa Senhora do Carmo(キンタ・ノヴァ・デ・ノッサ・セニョーラ・ド・カルモ)
渓谷の上流、ユネスコの世界遺産に登録されているアルト・ドウロワイン産地。その山の斜面に美しく広がる畑を、見下ろすように佇むのがワインエステート「キンタ・ノヴァ・デ・ノッサ・セニョーラ・ド・カルモ」だ。
もともとはポートワイン用のブドウやオリーブ畑、果樹園を備えたドウロ地域で最も古い農園の一つだったところを、1999年に世界的なコルクメーカー、アモリン家が時代に合わせて生まれ変わらせた。
スティルワインに重きを置き、斜面に広がる120ヘクタールの畑で様々なブドウ品種を栽培。ポルトガルワインの特徴である多彩な品種をブレンドし、高品質のドウロワインを作り出している。
2015年に誕生したホテルは、18世紀のマナーハウスを活かした建物に客室やダイニング、別棟にはテイスティングルームなどがあり、ガイド付きのテイスティングツアーではドウロの歴史を知ることができる。
ポートワインが歩んできた足跡は、苦労の連続でもあった。険しいドウロ渓谷では、急斜面のブドウの収穫は激務で、ドウロ川の下流に船でワインを運ぶのも大仕事だった。ラベロ船で川を下るのに3~6日ほどを要し、空になった船を上流へ戻す際には、人や牛がロープでひきながら、2カ月かけて運んだそうだ。
こういった先人たちの努力によって紡がれた技術、文化を繋ぐことが、この地のワインメーカーとしての使命でもあるという。
ルレ・エ・シャトーにも加盟しており、食の楽しみもここを訪れる大きな理由。ドウロ地方出身のシェフが織り成す品々は、魚のソテーに風味豊かな野菜を添えてアクセントにするなど、繊細な滋味深さがある。
上質なドウロワインと合わせ、ホスピタリティあるサービスに心地よさを感じ、豊かな夜が深まっていく。
Quinta Nova de Nossa Senhora do Carmo(キンタ・ノヴァ・デ・ノッサ・セニョーラ・ド・カルモ)
所在地 Quinta Nova, Covas do Douro
電話番号 254-730-430
客室数 11
料金(1室) 193ユーロ~
https://www.quintanova.com/en/
CREA Traveller 2026年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
