2016年の配信開始から10年以上もの間、目と耳の肥えたホラーファンを魅了し続けてきた、生配信サービス「TwitCasting」の怪談語りチャンネル「禍話(まがばなし)」。

 書籍化やドラマ化に加えて、近年は有名ホラー作家たちとコラボしたトークライブも開催されるなど、その勢いはますます加速中です。

 今回はそんな禍話から、バブル期に建てられたとある“廃墟の結婚式場”にまつわる不気味なお話をご紹介します――。

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建設当時から醸し出されていた“異様”

 人々が往来する地方都市の中心街。そこから少し離れた十字路に佇むその式場は、年々周囲の建物に比べて古く黒ずんでいっており、まるで白い歯の間で腐っていく虫歯のようでした。

 バブル景気全盛期の最中に生み出されたというその建物は、売りでもあった“えせルネサンス風”の3階建てのA館と、背後に増設されたホテルや大広間などが入った10階建てのB館がセットになっており、当時から“異様な建物”として認識されていたそうです。

 建設を主導したのは他県から来た新興不動産開発会社のオーナー。彼は周りの反対も聞かずに建設に大量の資金を投入したものの、例のごとくバブルは崩壊。気がつけば彼の行方はわからなくなり、建物は有害物質を含んだ建材が多く使われていたこともあって解体費用が高くつき、街の中で腐り続けていました。

「先輩から聞いたんだけどさ……」

 まるで薄汚れたラブホテルにも見えるその廃墟には、いつしか噂が付いて回るようになっていました。

次のページ そこでは“なにが起こるかわからない”