この記事の連載

  • 気になる人のあの本、あの曲、あの味〈第3回:堀田真由〉

 俳優、ミュージシャン、クリエイター、作家……いまをときめく方々に「日々自分らしくあるために」大切に読んでいるもの、聴いているもの、飲み、食べているものを伺う新連載。

 今回は、7月からスタートした新ドラマ「僕達はまだ その星の校則を知らない」で3年桜組担任の国語教師・幸田珠々を演じる堀田真由さんが登場。お気に入りの本や食べ物が、日々の気分や俳優活動にどのように作用しているのか聞きました。


【あの本】自分の中の引き出しが増える感覚が

 著者の経験や想いが言葉になっているエッセイが好きだという堀田さん。物語とは違うリアルな言葉に、これまで何度も救われてきたそうです。

「現実とは違う世界に行ける物語も好きですが、実際に著者の方が感じたことや経験されたことが描かれているエッセイは、現実の延長線上にある感じがして、すごく刺さります」

 最近は忙しくてなかなかゆっくり本を読む時間が取れないのが悩みだといいますが、ちょっとしたすき間時間にも本を読むようにしているのだとか。

「先日、仕事でパリに行った時は、飛行機のお供に松浦弥太郎さんの『明日がいい日になりますように。』を読みました」

 『明日がいい日になりますように。』は、単行本『孤独と共感のバランス練習帖 ひとりでいること みんなとすること』の文庫新装版。孤独とは何か、共感とは何か。そして、それらとうまく付き合い、自身が成長するにはどうすればいいのかを綴ったエッセイです。

「今は検索すればなんでも出てくる時代ですが、小説やエッセイを読むと、自分の知らない言葉や表現に出会えます。自分の中の引き出しが増える感覚もあるので、どんなに忙しくても本を読む習慣を持ち続けたいと思っています」

つらいときや落ち込んだりしたときも、本を読むという堀田さん。自分の進路を決める大事な分岐点に立つ高校3年生の担任役として、自分を役立てることに大切なことはなにかを記したエッセイから、大きなヒントを得たのではないでしょうか。

2025.08.05(火)
文=相澤洋美
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=中山友恵
スタイリスト=斉藤くみ