最新作の映画『アフター・ザ・クエイク』をはじめ、数々の作品に出演している岡田将生さん。さらに今年は韓国ドラマへの出演も発表され、活躍の場を世界に広げています。そんな岡田さんが友だちと過ごした夏の思い出、撮影後に堪能したあるひとときなど、心に刻まれた「1曲」と「1杯」について語ってくれました。さまざまな役を演じるなか、自然体の表現で観る者を引き込む岡田さんにとって、日常でふと心に響くものとは。
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【あの1曲】SUMMER SONICで聴いた「Creep」
好きな音楽についてお聞きすると、岡田さんは大事な思い出をとても楽しそうに教えてくれた。
「ずっとフェスに行くのが好きで、以前はフジロックやサマソニなど毎年のように通っていたんです。そのなかで今も鮮明に覚えているのが、サマソニでレディオヘッドが演奏した『Creep』。確か野外ステージで、本当に久しぶりにあの曲をやってくれたんですよ。当時、ライブではなかなか披露されない曲で、ずっと封印されていた印象がありました。だからこそ、実際に聴けた時の感動がものすごく大きかったんです」
レディオヘッドが「Creep」を久しぶりに演奏したのは、2003年の音楽フェスティバル「SUMMER SONIC(通称:サマソニ)」。この曲が数年ぶりにライブ演奏された伝説的なパフォーマンスとなった。レディオヘッドが1992年に発表して大ヒットしたものの、“一発屋”と揶揄されたことなど複数の要因により封印されていた曲だった。そんななか、22年前のサマソニで突然レディオヘッドが演奏し、大きな話題に。その衝撃のステージに岡田さんは立ち会っていた。
「『Creep』はレディオヘッドの代表曲のひとつで、僕自身も音楽を聴くようになってから特に好きな曲でした。しかもライブでは長く演奏されていなかったので、本当にレアな瞬間だったんです」
20代前半から中盤の時期、毎年いろいろな音楽フェスにお笑いコンビ・ハライチの澤部佑さんと一緒に行っていたと笑顔で話す。気のおけない友人と肩を並べ、会場の熱気に包まれて大勢のリスナーと一体となって聴いた音楽は、今も生き生きと聴こえてくるという。
「死ぬまでに一度はライブで聴いてみたいと思っていた曲だったので、演奏が始まった瞬間、本当に鳥肌が立ちました。あんなにウワァーーーッと泣きそうになるくらいエモーショナルに感情が揺さぶられた体験は、他のライブやコンサートで味わったことがありません。音も空間もあれほど鮮明な日はなかった。この瞬間はもう二度とないんだと、一音一音を噛みしめるように聴いて、その場に立っていました。生で聴けたことがものすごく嬉しくて、忘れられない1曲になりました」
2025.10.03(金)
文=あつた美希
ヘアメイク=磯野亜加梨
スタイリスト=大石裕介