数多くのアーティストにカバーされ続けるスピッツの名曲「楓」を原案にした感動作の映画『楓』が、12月19日(金)より公開される。大切な人を失う運命に向き合う双子の兄弟を演じたのは、俳優・福士蒼汰さん。本作では、得意の英語を披露するシーンも登場する。

 デビューから14年、30代を迎えた福士さんは、今、俳優という仕事にどう向き合っているのか。作品と役を通して見えてきた“現在地”を伺った。


英語を学ぶきっかけは、先生から発音を褒められたこと

――映画『楓』では、性格の違う双子の兄弟、須永涼と恵を演じました。普段の福士さんはどちらに近いと思われますか?

 実生活の僕は、完全に涼タイプです。どちらかというとゆっくりペースで過ごすのが心地よいと感じるほうなので。でもそれが、仕事モードになると、恵タイプにスイッチが切り替わるんです。オンとオフを自分で使い分けているような気がします。

――本作はニュージーランドでのロケもされています。英語のセリフもありましたね。

 涼が登場するニュージーランドのシーンは、実はすべてアドリブなんです。福原(遙)さんのシーンはちゃんとセリフが脚本に書いてあるのに、僕のはセリフがなくて……。行定(勲)監督に訊いたら、「その場の流れで好きにやってほしい」と言われました。

 なので、現地のエキストラの方に「ここでこういうセリフを言うから、それに答えてこう言ってください」とディレクションまで自分で行いました(笑)。

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