愛らしい猫の陶器で知られる、佐賀県にある唐津焼の窯元「赤水窯(あかみずがま)」。
難病にかかった愛猫のために猫陶器をつくり始め、今では“猫陶器ガチャ”も登場し、ショールームを訪れる人の楽しみのひとつになっています。
小さな猫陶器に込められた想いとは――。陶芸家の熊本象(くまもと・しょう)さんにお話を伺いました。
看板猫が出迎えるレトロなショールーム
唐津焼の窯元「赤水窯」の始まりは少しユニーク。当初は、手づくりの陶器でお茶を楽しめる喫茶店として、1976(昭和51)年に開業しました。その後、喫茶と陶器づくりを15年ほど並行して営み、1990(平成2)年に陶器専業の窯元へ。現在は、窯主の熊本千治さんと息子の熊本象さんが作陶に励んでいます。
創業以来、猫がいなかった時期は一度もないという赤水窯。ショールームを訪れると、2代目店長の香平(こうへい)くんが出迎えてくれました。
「香平はクリームタビー色のブリティッシュショートヘアの男の子で、今年3歳になりました。名前の由来は、父が彼の体の色に近い“香色”という和の色を見つけて。それで、初代店長の創平(そうへい)から一文字受け継ぎ、名付けました」と話すのは熊本象さん。
香平くんとの出会いには、創平くんとの不思議なつながりを感じさせるエピソードがありました。
「創平が亡くなり、ひと月ほど経ったある晩。ようやく夢に現れてくれました。ところが、実際はブリティッシュブルーだった毛の色が、ところどころクリーム色で……。それで、その日からクリーム色のブリショーを探し始めると、ほどなくして香平に出会いました」(以下すべて熊本さん)
その時、香平くんはすでに1歳。“人懐こく甘えん坊”という、はっきりとした性格が決め手となり、2代目店長として赤水窯に迎えられました。
トレードマークの花の首飾りは、象さんの叔母が手づくりしてくれたもの。市販の首輪は窮屈ですぐ外してしまうため、ゆるめに仕立てたところ、ハワイの花飾り「レイ」を思わせる陽気なスタイルに。本人は至ってクールなところもまた、笑顔を誘います。
