この記事の連載
◆焼き菓子のパフェ
同じく2024年6月~7月半ばに供されるのが、驚きと遊び心あふれる「焼き菓子のパフェ」です。
「焼き菓子がテーマの催事があり、そこでデザートを求められてつくることしたのがパフェ。どう表現すればいいのかわからないまま試行錯誤して、焼き菓子をアイスクリームにすることから始めて形にしました」と、佐藤さん。大切にしたのは、「焼き菓子ならではの粉を焼いた香りを出すこと」だったと話し、今回、お店で提供するにあたって味わいをさらにブラッシュアップしたそうです。
トップには、アルレット(薄焼きのパイ)やフィナンシェ、レモンとハチミツのマドレーヌ、フルーツケーキ、バニラのマカロンを、レモンが香るクレーム・シャンティイ(ホイップクリーム)とともに。まずは焼き菓子のそのままのおいしさを、じっくり堪能できます。
その下から登場するのが、ラム酒漬けのフルーツケーキのアイスクリームと、レモンとハチミツのマドレーヌのアイスクリームです。ひんやりした口溶けとともに焼いた粉生地やフルーツ、お酒の香りが広がって、味わいはまさに焼き菓子! 豊かな風味と新感覚のおいしさに、胸がときめきます。
そこに、ザクザク香ばしいピーカンナッツのキャラメリゼと、ホワイトチョコレートでコーティングされたクランチがアクセントを添え、バニラのガナッシュ・モンテがコクとまろやかさをプラス。
さらに食べ進めると、シナモンとカソナードでマリネしたプラム、アメリカンチェリー、グリオットが豊かな果実味と心地よい酸味をもたらし、最後は香り高いアールグレイのゼリーですっきりと。
「はじめにシナモンとレモンの香りをつけた生クリームのソースを、お客様の目の前で上から流して提供しています。そうすることで、グラスの底にソースがたどり着き、ミルクティーの味わいになるんです。焼き菓子を食べた後に紅茶を飲むイメージ」と、佐藤さん。
ペアリングの飲み物も、おすすめはやはりアールグレイ! すっきりした香りが焼き菓子のふくよかな味わいにぴったりです。
「基本的に、季節感を追い求めるのがパフェだと思っています。でも、旬のフルーツが少ない季節には、『焼き菓子のパフェ』のようなケーキ屋さんらしいものも楽しいですね。いったん焼き菓子を焼くのにひと手間かかりますが、すべて自分でつくれますし、なんでもパフェにできます」と、佐藤さん。
多彩な食感やみずみずしさとともに、フランス的な香りのハーモニーや味わいを織り交ぜた、オリジナリティあふれるパフェのおいしさを生み出しています。
Régalez-vous(レガレヴ)
所在地 神奈川県鎌倉市御成町10-4
電話番号 0467-81-3719
営業時間 8:30〜18:00(L.O.17:30)
定休日 水曜日
Instagram @regalez_vous_kamakura
名作パフェ図鑑
2024.06.05(水)
文=瀬戸理恵子
写真=鈴木七絵
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