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薬膳では、季節の変化と共に、身体にもその時期特有の不調が現れると考えられています。そこで、暑い季節には熱を冷ます料理、寒い季節には身体を温める料理など、季節にあった食養生をすることで、健康に暮らせるとされています。
最近では、「旬の食材を食べる」と言う食養生を実践されている方も多いですが、薬膳ではさらに、旬の食材のほか、春、夏、秋、冬に梅雨を加えた、5つの季節にぴったりな薬膳料理があり、季節ごとに感じやすい身体の不調を整える食材も活用します。
食材といっても、近所のスーパーで手に入らないような特別な食材が必ずしも必要なわけではありません。毎日の食卓で利用するような一般的な食材でも、十分体調に合わせた薬膳料理を作ることができます。
大事なのは、今の季節や、自分の身体の状態にあった食材を食べられているかということ。今回は「春、梅雨、夏、秋、冬」の5つのシーズンに合わせたおすすめの食材と、季節ごとの注意すべき過ごし方についてご紹介します。ぜひ日々の生活にお役立てください。
◆春
春は、木々や植物が新芽を伸ばし、若葉を広げるシーズン。寒い冬に身体に溜め込んだ老廃物やエネルギーを排出するデトックスの季節でもあり、新陳代謝が高まり、体も冬から春に切り替わります。
植物の新芽である山菜や、たけのこ、よもぎなどの食材には、解毒や排出の効果が期待できます。老廃物の排出をすることで、春に起こりやすい花粉症の症状の軽減にもつながります。
また、身体のデトックスのために働く臓腑機能を「肝」といいます。肝は、全身にエネルギーを巡らせる役割もあるので、春は肝の働き過ぎからくる気持ちの鬱滞症状も起こりやすいシーズンです。
セロリやパクチーなどの香味野菜、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類は、鬱滞した気持ちをコントロールする効果があるので、春に感情の起伏が激しくなりやすい方や自律神経のバランスを崩しやすい方は、香りの良い食材を活用しましょう。
食べ物以外だと、柑橘類のアロマオイルの使用もおすすめです。
2023.10.14(土)
文・撮影=さとうあい