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◆滋養強壮とアンチエイジングに:黒豆

 薬膳では、黒きくらげ、黒ごまなどの見た目が黒い食材は、身体に精がつき滋養強壮の効果があると言われています。この黒い食材のひとつである黒豆は、最近身体の衰えや疲れを感じやすくなったという方におすすめの豆類です。黒豆といえば、おせち料理の甘く煮た豆を思い浮かべる方も多いと思いますが、小豆と同じく、砂糖を控えめにした調理方法がおすすめです。

 黒豆は水で戻す必要があること、煮るのに時間がかかることから、乾燥した状態の豆から料理をするのは手間だと思う方も多いでしょう。そんな方は、砂糖の入っていない煮黒豆を購入して、手軽に様々な料理に入れてみてください。そのほか、炒り黒豆や黒豆茶、黒豆きな粉、黒豆納豆などの市販品を上手に使ってもいいですね。

 血を補い、老化を防止する効果もあるので、いつまでも若々しくいたい女性は毎日の食事に少しずつ、継続して取り入れていきましょう。老化が原因で起こる髪の毛のパサつき、皮膚の乾燥、腰痛や疲労感にも、黒豆のアンチエイジング効果が役立ちますよ。

「なつめ入り黒豆茶」のレシピはこちら

豆料理を毎日のご飯に活用してみよう

 今回ご紹介した豆類はすべて、水分代謝を助ける働きを持っているので、梅雨から夏のジメジメしたシーズンに最適な食材と言えます。ただし、利尿効果を高めるので、乾燥体質の方は食べ過ぎないように気をつけましょう。何事も適度な量を心がけ、健康的な食養生を楽しむことが大切です。

 薬膳では、適度な食材の量は、人それぞれ違うとされています。身体の大小や性別、年齢によっても様々です。ひとりひとり性格が違うのと同様に、身体の状態も違うことも、覚えておきましょう。ポイントは「自分が心地よくいられる状態かどうか」、そして「身体に負担をかけていないかどうか」。日々のご飯を通して、頑張る自分の身体の声に耳を傾けてみるのもいいですね。薬膳の知識を使った食養生を毎日の生活に取り入れて、心も身体も元気に過ごしましょう。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

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Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2023.07.09(日)
文・撮影=さとうあい