YMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)の遺伝子が古都で花開いた。

 音楽業界の主要5団体によって今年設立された一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会による “MUSIC AWARDS JAPAN”。日本版グラミー賞とも称される新しい音楽アワードである。

YMOの楽曲をカヴァーした“海外の大物ミュージシャン”

 日本のポップスの振興のためのこの賞で、第1回の“SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025”に選出されたのがYMOだ。

 YMOは1978年に細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人で結成されたテクノポップ・バンド。デビュー直後からレコードが海外発売され、2度のワールド・ツアーも敢行した。斬新な音楽性とカリスマ性、ポップさと実験精神を両立させたYMOは国内では大ブームを巻き起こし、セカンド・アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』、そこからのシングル曲「テクノポリス」「ライディーン」は時代のアンセムとなる大ヒットを記録した。海外においてもその影響力は大きく、マイケル・ジャクソン、エリック・クラプトン、トッド・ラングレンなどの大物をはじめ、多くのアーティストがYMOのカヴァー曲を発表するほど。

 もちろん日本でもYMOの影響を受けたアーティストが多数で、YMOチルドレンとも称されるその多くは、これまでYMOやYMOのメンバーと音楽のコラボレーションも行なっている。

京都国際会館でYMOのトリビュート・コンサートを開催

 今回、YMOの“SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025”受賞を寿ぎ、さらに2023年に相次いで逝去した高橋幸宏、坂本龍一を偲んで、YMOチルドレンたちによるYMOのトリビュート・コンサート“MAJ A Tribute to YMO - SYMBOL OF MUSIC AWARDS JAPAN 2025”が京都国際会館で5月20日に開催された。

 このコンサートは、YMOの高橋幸宏に見出されてデビューした高野寛がバンド・マスターとなったバンド“モダン・ヴィンテージ・フューチャー・オーケストラ”にさまざまなゲストが参加してYMOの楽曲を演奏するという形式だ。高野寛は2019年にYMOのメンバーも観覧に来たトリビュート・コンサート、“イエロー・マジック・チルドレン”のバンマスに続き2度目の大役となった。

2025.06.27(金)
文=吉村栄一