30代後半から、ひしひしと実感する「痩せにくさ」。あれこれ試してもいまいち結果が出なかったり、頑張って痩せたのにあっという間にリバウンドしてしまったり……。
アンチエイジングドクターでもある医学博士の日比野佐和子さんもそのひとり。10代のころからダイエットをしてはリバウンドを繰り返し、最高体重71キロになったことも。それが、40代のときに15キロ減のダイエットに成功し、54歳の今でも体型をキープし続けているそうです。
日比野佐和子さんの、年齢を重ねた体に合わせた方法で、健康的に美しく痩せていくダイエットの知識をつめこんだ『長生きダイエット』(内外出版社刊)が発売されました。
すぐに目に見える変化を実感できるわけではないですが、時間をかけた分だけ「確実に・無理なく・健康的に」痩せられるダイエットメソッドを、本書より、一部抜粋してお届けします。
「食事」と「代謝」を気にするだけでいい

長生きダイエットの目的は健康と美容の両立です。年齢を重ねても健康的な美しさを保つために、体重という数字に踊らされないようにしてください。
それを実現するためにやることは、食事改善とプチエクササイズです。
「ダイエットに食事と運動が大事なことくらい知っている。それができないから困っている」という方は多いでしょう。さらに「食事と運動」ではずいぶんざっくりとしていて「結局、具体的にどうしたらいいの?」と思ってしまいますよね。
私が推奨しているのは「食事=血糖値コントロール」「プチエクササイズ=代謝アップ」です。目的はそれぞれ「血糖値」「代謝」と考えると、具体的で効果にも期待ができませんか?
●血糖値を上げない
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖を一度に大量に摂取すると、血糖値は急激に上昇。このとき、膵臓から血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌されます。ゆるやかな血糖値上昇であればダイエットの味方となってくれるインスリンですが、急激な上昇となると話は別です。必要以上に分泌されたインスリンが、糖を脂肪に変えて体に蓄える働きをしてしまうのです。
ここまできたらおわかりですよね。脂肪をため込まないためには、血糖値を急激に上げない食べ方が重要となります。実は、血糖値は食べ物や食べる順番でコントロールできるのです。「血糖値が上がりにくい食べ物と食べる順番」さえ知っておけば、今日から血糖値コントロールをスタートできます。
●代謝を上げる
年齢を重ねると筋肉が落ち、代謝も落ちます。代謝の落ちた体は太りやすくなります。体を動かして血液やリンパの流れをよくし、基礎代謝や新陳代謝を活性化させましょう。
運動というとたくさん汗をかき、体をしっかり動かさなければいけないと思うかもしれませんが、激しい運動はおすすめできません。息が上がるほどの運動は活性酸素を増やし、老化の原因となります。トレーニングウェアもまとまった時間も必要ない“プチ”程度で十分。隙間時間にもできるし、負担なく習慣化しやすいところがポイントです。
2025.09.09(火)
文=日比野佐和子