『国宝』で歌舞伎役者の生き様を入魂の演技で体現した吉沢亮さんと、『はたらく細胞』など話題作に次々と出演している板垣李光人さんが、7月4日から公開の映画『ババンババンバンバンパイア』で共演。奥嶋ひろまさ氏の人気コミックを、KDDI auの「三太郎」シリーズなどCMディレクターとして活躍してきた浜崎慎治監督が映画化した、キュートでスタイリッシュな個性派のコメディ作品だ。おふたりはバンパイアの蘭丸と、銭湯を経営する居候先の家族のひとり息子、というユーモラスな関係を演じている。原作ファンからの期待も大きい実写化の現場で、役作りや作品に込めた思いとは。映画の魅力やキャラクターへの愛情などについて話を聞いた。

吉沢亮と板垣李光人が明かす「影響を受けた本」「忘れられない味」 明治生まれの文豪に没頭した中学時代、香港で衝撃を受けた伝統料理


敵味方関係なく可愛らしい部分があって魅力的(吉沢)

――この作品にはたくさんの要素が詰まっています。バンパイアである蘭丸の生き様、蘭丸が溺愛している高校生・李仁(りひと)の恋、李仁の明るい家族、個性強めの周囲の人たち、そして兄弟間の確執と愛憎、昔ながらの銭湯など。その中で特に気に入っているテーマや、観客に楽しんでもらいたい要素はありますか?

吉沢 本当にいろいろな要素がある作品だと思います。僕は浜崎監督と今回2回目で、前回も今回もすごく感じたのが、登場人物がみんな“愛されバカ”なんです。敵も味方も関係なくみんなに可愛らしい部分があって、魅力的なキャラクターが多い。だから今回もそれぞれが個性的だし、全員“愛されバカ”みたいな感じが、見ていてホッとするんです。何も気にせずゲラゲラ笑える感じが、僕はとても魅力だなと思います。

――吉沢さんが浜崎監督による2020年の長編映画初監督作品『一度死んでみた』に出演された時ですね。板垣さんはいかがでしょうか?

板垣 僕は蘭丸と李仁の関係性を、自分で李仁を演じながらも素敵だなと思っていました。家族ではないけれど、とてもあたたかいものがあって、喧嘩もちゃんとして、お互いに謝ったりして、とても面白いですよね。友達でもないし、不思議で特殊な関係性だけど、そこには確かな絆があって、あたたかくていいなと。そういう面が好きですね。

――バンパイアハンターに追われ、炎天下で瀕死の状態だったバンパイアの蘭丸を、幼い李仁少年が助けて以来、蘭丸は住み込みで立野家の経営する銭湯で働き、家族同然に暮らしています。その関係性を演じるにあたり、おふたりで話し合ったことはありますか?

吉沢 お芝居のことではまったくないですけれど、空き時間にはくだらない話をよくしていました。原(菜乃華)さんも一緒にみんなで人狼ゲームとかやってたよね。現場ではお芝居中はもちろん待ち時間も、みんなで楽しみながら過ごしていました。

2025.07.04(金)
文=あつた美希
撮影=橋本 篤
ヘアメイク=吉沢:小林正憲(SHIMA)、板垣:KATO(TRON)
スタイリスト=吉沢:荒木大輔、板垣:伊藤省吾 (sitor)