
『ウチ、“断捨離”しました!』は、断捨離Ⓡの提唱者・やましたひでこさんが、悩みを抱える家庭を訪れ、断捨離を通じて生き方を変えていく……BS朝日で毎週火曜よる9時放送中の人気番組です。
かつて一度、この番組に応募・出演した元天才子役でライターの宇野なおみさんも、「番組史上に残る壮絶さ」と評されつつ断捨離を行い、大きく人生が変わったひとり。
そして、宇野さんは、2025年7月に再登場することに。現在、一人暮らしの宇野さんが挑戦したのは、「実家の断捨離」でした。
頭を悩ませる人も多いこのテーマ。あくまで“親の住む場所”となった実家をどうやって断捨離していたのか、子どもは何をすべきか? 宇野さんに貴重な経験談を語っていただきます。
まさかの2回目の登場! 断捨離番組へ出演

最初に出演した時、自分で応募したの!?と、一様に驚かれたものです。当時は母親が緊急搬送ののちに入院していたため、藁にもすがる気持ちでした。搬送の原因は脳出血。この病気は再出血すれば重病化のリスクが高まるので、家に手すりをつけるなど、転倒を防ぐことが大切です。幸い母の回復は早く、ほどなく退院、自宅療養となりました。
さて、当時の実家の有り様はと言えば……私は精神的に頼り切っていた母が入院となり、メンタルを崩す寸前。もともと捨てられないタイプの母の荷物はうずたかく積み上がり、緊急搬送という出来事に、メンタルがギリギリの状態だった私は、母の買ったものが捨てられない、動かせすらしない。最低限の掃除しかできず、カーテンを閉めっぱなしの暗いゴミ屋敷でした。

まだ若い私ですら、まっすぐ歩けない家。このままでは母が転倒するか、私のメンタルが壊れるか。どちらかが命を失う前に……そんな気持ちで応募しました。
最初にやましたさんは、「私の部屋から手をつける」と仰いました。私の部屋は関係がないと思っていたので、驚いて泣いて抵抗するという、とんでもない失態をカメラの前でさらしましたが、結果的にはそこからエンジンがかかり、最終的に家の家具や雑貨のほとんどを断捨離。見違えるような明るい家になり、私も「憑き物が落ちた」と言われるほどに変わりました。

その後、母の回復に伴い、念願の一人暮らしを始めました。子役当時、母にずっとサポートしてもらい、親離れできていなかった私にとって、大きな変化でした。
買い物に行かなければ食材は揃わない、割安だからといって大袋の重曹を買ったら部屋でもてあます、そんなことを学びつつあったころ、番組のスタッフの方に一人暮らしをお伝えする機会がありました。前回の収録当時、私は実家と一心同体のようなありさま。まさか1年後に一人暮らしを始めているとは思っていなかったようで、驚かれました。
1回目の断捨離が終わって約2年。実家は見違えるように暮らしやすくなったものの、やはりものは増えていきます。しかも、回復してきたとはいえ、母が自分で掃除や片付けをするには限界があります。実家に帰るたびに、雑然としてきたなあ、と薄々思っていた私。
色々お話をした結果、今度は、「実家を出た人間として、断捨離を行う」=実家の断捨離をやるという、新たな挑戦をすることになりました。
2025.08.12(火)
写真・文=宇野なおみ
写真=Afro