上沼恵美子さんが読者から寄せられた「難問」「奇問」にズバッと答える「週刊文春」の人気連載が待望の書籍化。ここでは『上沼恵美子の人生笑談 白黒つけましょ』(文藝春秋)を一部抜粋してお届けします。
68歳・女性からの相談。今住んでいる家を二世帯住宅に改築して、息子家族と同居する案が浮上。なんとなくOKしたものの、嫁が出した条件にカチンと来たといいます。ご自身も義母と同居した経験がある上沼さんが、「同居は無理」と断言する理由とは?(全4回の4回目/3回目を読む)
68歳・女性からの相談
数年前に夫を亡くした68歳の主婦です。今は広い家に1人で住んでいるのですが、最近この家を二世帯住宅に改築して、息子家族と同居する案が浮上してきました。
1人で住むには大きすぎるのも確かなので、なんとなくOKしてしまったのですが、話し合いの中で、息子の口から「うちの家族の洗濯ものにはお構いなく」という言葉が出てきて絶句しました。息子たちが留守中に急に雨が降ってきて、私が家にいた場合でも、彼らの洗濯ものは「放っておいていいよ」と。おそらく息子の嫁の出した条件だと思います。
頼まれたって取り込まないわよ、と頭にきましたが、この一事をもってしても、私たちの同居は無理ですよね?(68歳・女性 滋賀県)
上沼さんの回答は?
68歳の主婦の方、同居する前でよかったですね。すがすがしいくらいの鬼嫁です。御推察の通り、息子さんには思いつかないですね、この条件は。
私がこの嫁さん、シャレとるな、と思ったのは「我が家の洗濯ものにはお構いなく」という一言にすべてが入っているんですよ。一見すると、「お義母さんに洗濯ものを取り込ませるなんてできません」と気を遣っているようでいて、全然違います。
要は、ウチはお義母さんとは喋りません、一緒に食事もしないし、こっちの部屋にも入らんといてください、もしお義母さんが倒れていても何もできません……と言うてるわけです。“お義母さんはいないものとします”という宣言ですよね。
もうこの1品で「嫁姑問題のフルコース」が入ってますね。










