断捨離のメリットとは? 大変! だけど、すべてが変わる

断捨離は元々「不要なものを捨て、身軽になり、執着を手放す」という考え方です。
終わると、今までの苦しみ、肩にのしかかっていた重たさはなんだったのかというくらい、身も心も軽くなります(我が家の場合は家具をはじめ、粗大ごみも含めて捨てまくったので、物理的に1トンくらい軽量化しています)。
ただ、断捨離は本当に大変な作業です。ため込んだもの、部屋や家の状態は、いわば断捨離を始める瞬間までの、今までの人生そのもの。それに向き合い、要・不要を判断し、手放していくので、非常にしんどいです。
苦しい、辛い、もうやめたい! 1回目の断捨離の時に、私は何度も泣きながら作業をいたしました。
過去と決別し、今の自分を受け入れ、前へと進む。その作業を繰り返すうち、暗闇の先が見えてきた。もがき切ったら、明るい未来が待っていました。
最初、ため込みタイプの親は、ものを減らすことに抵抗があったようです。だいぶ文句も出ていましたが、人間は慣れるのは早いものです。意外と平気だった、と快適に暮らしていて、ずっこけそうになりましたね(笑)。身軽になると、気持ちも軽やかになります。
実家の断捨離は自分たちの人生を振り返ること
今回の断捨離で、母は最後に、独身時代からずっと持っていたグランドピアノを手放すことを決め、アップライトピアノという、コンパクトなタイプに切り替えました。ピアノ教室を運営している母にとって、昔も今もとても大事なもののはず。大変な衝撃でした。
ピアノのサイズがダウンしたことで、教室として使っている部屋に広いスペースが誕生。姉やいとこがやってみたかったという、「ミュージカルコース」を始めることになりました。断捨離を通じて、私だけではなく、母や姉も、新たなスタートを切ることができたのです。
実家には実家の歴史があり、親の人生が詰まっています。そのことに敬意を払い、受け入れ、あくまで親のサポートに集中する。これが、実家の断捨離にはとても大切なポイントです。
まずは、自分たちがどれくらい手を出すべきか、手を出さない領域の見極めから始めてみませんか?

2025.08.12(火)
写真・文=宇野なおみ
写真=Afro