◆豚ひき肉と黒きくらげの炒め物

 乾燥症状は、水分の不足に加え、血の不足も関係しています。黒きくらげは乾燥を防ぎながら、血を増やす食材だと薬膳では考えられています。血を増やすことで、乾燥しがちな肌や髪の毛、頭皮の状態も改善することができますよ。

 卵や豚肉も、日常的に使用する食材ですが、薬膳では潤し食材のひとつとされています。普段から食べている方も多いと思いますが、乾燥が気になる秋には特に意識的に食べるようにするといいでしょう。

●材料(4人前)

・豚ひき肉:150g
・長芋:200g
・乾燥黒きくらげ:5個
・青梗菜:1株
・卵:2個
・ごま油:小さじ1
<調味料>
・醤油:小さじ2
・みりん:大さじ1
・調理酒:大さじ1

●作り方

(1)長芋は皮をむいて半月切りにします。黒きくらげは水で戻し、粗く刻みます。青梗菜は根元を切り落とし、砂を洗い、食べやすいサイズに切ります。

(2)ボウルに卵を入れてよく混ぜます。ごま油を入れフライパンを温めます。溶き卵を入れてサッと炒め、一旦取り出します。

(3)フライパンを再び温め、豚肉を炒めます。

(4)豚肉の赤みがなくなったら、(1)の黒きくらげ、<調味料>を入れ炒めます。

(5)(1)の長芋を入れ、弱火でゆっくり炒めます。

(6)(1)の青梗菜、 (2)の卵を入れ、よく混ぜ合わせます。

(7)青梗菜がしんなりしたら、器に盛り付けて完成です。

◆シャキシャキ食感が楽しい蓮根の蒸し鍋

 肺を潤し、咳予防ができる食材の代表とも言えるのが「蓮根」です。蓮根は喉の渇き感、咳、痰の解消に効果がある為、秋の食卓には欠かせない食材です。繊維に逆らって切ることでシャキシャキ食感、すりおろすとモチモチの食感と違う美味しさが楽しめます。

 薬膳では、実を「蓮の実」と言い不眠対策の食材として、葉を「蓮の葉」、またの名を「荷葉(かよう)」と言い熱をとる食材として利用します。蓮根は効能の宝庫とも言える、食材のひとつです。

 痰を取り除く効果のあるエリンギ、大根と合わせた料理なので、痰がらみのせきが続く方や、鼻づまり症状のある方におすすめのメニューです。

●材料(4人前)

・蓮根:300g
・豚小間切れ肉:150g
・エリンギ:2本
・大根:100g
・ポン酢:お好み

●作り方

(1)エリンギは食べやすいサイズに薄切りにします。

(2)蓮根は皮をむいて薄切りにします。15分ほど水にさらし、アク抜きをします。

(3)蒸し器に穴を開けたクッキングシートを敷き、水切りにした蓮根を入れます。

(4)蓮根の上にエリンギ、豚肉を全体に散らすように重ねます。

(5)蓮根、エリンギ、豚肉の順に何層かに重ねます。

(6)蒸し器の蓋をし、10~15分加熱します。

(7)大根おろしを添え、お好みでポン酢を容器に入れます。
蒸し器から食材を取り出し、器に盛り付けて完成です。

肺の潤いをチャージする食材で感染症予防をしよう

 風邪の流行が気になる秋は、喉の痛み、咳、鼻水から不調症状がスタートすることが多いです。これらは肺を潤すことで、予防できる症状でもあるので今回のレシピを参考に、セルフケアしてみましょう。

 病院に行くまでもない症状は、日々のご飯で回復を助けることも可能です。日頃からご自身の体の変化に目を向けてみてはいかがでしょうか?
 
 時にはお薬や病院に頼ることも大事ですが、ご自身でできるカラダメンテナンスにも、チャレンジしてみてください。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2024.10.08(火)
文・撮影=さとうあい