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◆湯豆腐のきのこソース

 豆腐は体の熱を冷ましながら、胃腸を休めるやさしい食材。しめじ・椎茸・えのきといったきのこ類は、肺機能を高め、感染症予防にも効果的です。特にえのきは、痰がらみの咳を改善する効果のある食材です。なめ茸や、味噌汁に入れるなど、毎日継続的に少しずつ食べられるといいですね。

 夏に冷たいものを取りすぎて弱った脾胃を整え、だるさをリセットするお助けレシピです。黒酢を少し加えることで、血の巡りを良くし、疲労を回復する効果も期待できますよ。

 疲れから胃腸が弱っている時は、あっさりとした味付けの料理がおすすめです。湯豆腐などの鍋料理や、蒸し料理も活用してみましょう。今回ご紹介するきのこソースは、蒸し鶏や、卵焼きの具、丼にするなどアレンジが可能です。冷蔵保存もできるので、秋の常備菜として活用してみましょう。

●材料(4人前)

・豆腐:1丁
・しめじ:1/2
・椎茸:6個
・えのき:1/2
・細ネギ:5本

<調味料>
・醤油:大さじ1
・黒酢:小さじ1

●作り方

(1)しめじは手でさき、椎茸は薄切り、えのきはざく切りにします。細ネギは斜めに切ります。

(2)豆腐を食べやすい大きさに切り、鍋に水と共に入れて加熱します。

(3)フライパンに(1)のきのこ類を入れて加熱します。

(4)きのこ類がしんなりしてきたら<調味料>を入れて味を整えます。

(5)(1)の細ネギを入れて炒め合わせます。

(6)温めた豆腐を器に盛り付け、きのこソースをかけて完成です。

夏の疲れを持ち越さず、秋を健やかに迎える薬膳習慣

 夏の疲れを放っておくと、秋の不調や風邪につながりやすくなります。薬膳では「季節の変わり目に体を整えること」が次の季節を元気に過ごす秘訣。今回の3品は、余分な熱を冷まし、気を補うことで、季節の変わり目も元気に乗り越えることができる薬膳レシピです。

 薬膳の知恵は、特別な食材を使わなくても、身近な食材を「季節や体調に合わせて組み合わせる」ことが基本です。今回のレシピもスーパーで手軽にそろう食材ばかり。毎日の食卓に少し意識をプラスするだけで、感染症予防にもつながります。

 毎日忙しく働いていると、ついつい自分の食事が後回しになりがちです。しかし、忙しい時ほど、自分の体を見つめ直し、明日への元気を食事で整えるとき。ちょっとした体の変化を食べ物で整えることで、大きな不調を防ぐことができ、秋の行楽シーズンも元気に楽しめる体が手に入りますよ。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。『薬に頼らずのびのび育てる! こども薬膳』(三笠書房)が好評発売中。

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Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2025.10.09(木)
文・撮影=さとうあい