この記事の連載

 漫画家・まんきつさんは、自他ともに認める“美容オタク”。気になる美容法や美容医療には片っ端から挑戦し、その体験を赤裸々に描いたコミックエッセイ『そうです、私が美容バカです。』が注目を集めています。

 新刊『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』も、まんきつ流の美容法がもりだくさん! 今回は、最新の美容法や「美容にさえ興味が持てなくなった」時期があるという更年期症状との向き合い方について伺います。インタビュー【後篇】を読む

まんきつさんインタビュー【後篇】を読む
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今すぐ真似したい! まんきつさんが発見した「顔のアラを隠す手軽な方法」

――前回の取材でも話題になり、新刊の第1話にも登場する「ヒルに血を吸わせる美容法」は、いまも続けていますか?

 それが、死んでしまったんです。

 6月頃、蚊が飛び始めたなと思って電気式の蚊取り器を使い出したら3日ほどで全滅してしまって。あとで調べたら、殺虫成分が水に溶けて、両生類にも作用してしまうそうで……。それでヒルもやられてしまったみたいです。私が飼っていた「ネッタイチスイビル」はすごく大きくて、踏んでも死なないぐらい丈夫だと言われているのに、気づいたら水にぷかぷか浮いていて。

――それは……! すごくショックですね。

 自分の血を与えて育てていたこともあって、ちょっとしたペットロスになってしまいました。もう一度飼うことも検討したんですが、3年前に犬を亡くしたときに辛すぎて……。今も犬は一緒に暮らしていますが、これ以上生きものを増やすのはやめようと決めたんです。

――辛いことを思い出させてしまってすみません……。第2話では「顔のアラを隠す手軽な方法」として“フレームが太いメガネをかける”ことを挙げていて、激しく共感しました。メガネはたくさん持っているんですか?

 そうですね。太ければ太いほど、シミやしわなどの“アラ”が隠れるので、黒フレームのメガネだけでも、太さの違うものを少しずつたくさん持っています。毎朝鏡の前でひと通りかけてみて、「今日の顔に合うのはこれ」と選ぶんです。フレームが小さすぎると顔が大きく見えてしまうので、大きめのものを選ぶことが多いですね。

 このメガネはトムフォードで、手持ちのメガネの中では一番高かったですが品が良くて気に入ってます。このくらいのフレームの太さでも十分だと思うんですけど、アラを隠すには(フレームの太さが)もっと必要なんじゃないかって、どんどん欲が出てきちゃって。

 いちばんフレームが太いのはJINSのもので、すっぴんの時用にチークレンズ(※JINSが開発したチークを入れたように見えるレンズ)を入れています。メガネのインパクトで目まわりの小ジワに気づかれづらいのはいいんですが、ただ、さすがに太すぎて“くいだおれ太郎”みたいになっちゃいました。

――くいだおれ太郎!(笑)。老眼についても触れられていますが、いつ頃から老眼が始まったんでしょう?

 40歳過ぎたあたりでしょうか。私はもともと遠視なので「老眼になるのは早いよ」と言われていたんですが、想像以上に早かったですね。症状が出たのも突然で、ある日、手元の文字が急に読めなくなって。思わず「えっ……!?」と腕を伸ばして離してしまったんです。

――老眼を自覚されたとき、どんなお気持ちでしたか?

 老眼自体は全人類がなるものですからね……。しかたないというか。ただ、マンガを描くのに差し支えがあることがいちばん心配でした。2年くらい前に作業用の老眼鏡を作ったんですが、70歳ぐらいの方がかけるような度数らしいです。

2025.10.08(水)
文=河西みのり
撮影=平松市聖