令和のホラー界隈で“共創型怪談”とでも言うべき新しい地平を切り拓いたのが、2016年から生配信サイト「TwitCasting」で放送中の怪談語りチャンネル「禍話(まがばなし)」です。“虚実の間(あわい)”を行き来するかのようなおぞましい怪談は今や数千話に達し、リスナーによるリライト記事もその人気に拍車をかけています。

 そんな禍話から今回は、ダンボールにまつわる不気味な出来事が起きた一軒の家に関するお話をご紹介します――。

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ただならぬ雰囲気に席を立つOさん

 思わず話を遮ってお手洗いに立ったOさん。

 ただならぬ雰囲気に思考がまとまらず廊下を歩いていると、またあの和室の襖が開いているのが目に入りました。

 部屋の四隅にあったダンボールの上にもう一段重ねられていたダンボール。

 こっそりと和室に入ったOさんが一番手前のダンボールの中を覗き込むと、中には古新聞がパンパンに詰められていたそうです。

 リビングに戻ると、ちょうど窓の外に車が停まっているのが見えました。

 外から戻ったと思われる奥さんがトランクから何か出しているところで、彼女と目が合いました。

「ああ、会長さん! いらしていたんですね」

 彼女の腕にはダンボールと新聞の山が抱えられていたそうです。

◆◆◆

 翌日、事態を重く見たOさんがご近所さんと共に役所に状況を伝えたところ、数日後に一緒に家を訪ねてみることになりました。

 ですが当日訪れてみると、車が置いたままになっていたばかりか、玄関扉も鍵がかかっておらず開いていたのです。

 恐る恐る中に入ると家の中はゴミだらけ。さっきまで生活していたような雰囲気を残したままNさん一家はその姿を消していました。

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