小説化に漫画化、遂にはドラマ化まで果たした生配信サイト「TwitCasting」の人気怪談チャンネル「禍話(まがばなし)」。北九州の書店員でもある語り手・かぁなっきさんが2016年から語り続けてきた恐怖の実話怪談は、今や3000話を超える数に膨れ上がっています。

 今回はそんな禍話から、初期に語られた作品でありながら、今なおファンの間で根強い人気を誇る“ダンボール”にまつわる奇妙なお話をご紹介します――。

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誰もが憧れる新興住宅地の一軒家

 今から40年以上前のまだ日本が経済的に活力に満ちていた頃。日本中で山を切り崩した造成地に新興住宅を建てる建設ラッシュが起きました。

 そこかしこが新しい白さで輝き、整然と延びる道路には植えたばかりの若木が風に揺れ、同じ形の屋根が並ぶ光景はまるで新しい未来が等間隔で置かれているよう。

 Oさんはそんな新興住宅地のひとつで町内会長をやっていた60代の男性で、次々とやってくる新しい家族を毎回温かい笑顔で迎えていました。

 Nさん一家もそのひとつでした。

 30代くらいの精悍な顔つきのご主人と柔らかな笑顔の奥さん、そして幼稚園に入る前くらいに見える、それは可愛らしい女の子2人の4人家族。

 白い外壁に真っ赤な屋根、アーチ状の70年代風の玄関デザイン。

 そんな真新しい家に荷物を運び込む一家の第一印象は、新興住宅地のきらびやかなポスターに登場してもおかしくないようなご家族、というものだったそうです。

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