「最近娘さんの姿が1人しか見えないけど…」
それから2ヶ月後。
Oさんが日課の散歩中にご近所さんに声をかけられ、こんなことを言われたそうです。
「丘の上のNさんのご一家、最近娘さんの姿が1人しか見えないけど、会長何かご存知?」
曰く車で坂道を登る際に、いつもNさん一家の庭先とそこで遊ぶ娘さん2人が見えるのだそうですが、ここ数週間はずっと1人。加えて、一家が車で出かけるタイミングに遭遇した際に、お子さんが1人しかいなかったのも引っかかった、というのです。
体調が優れないだけなのでは、とOさんが諭してもご近所さんの熱は収まらず、結局、数日後にOさんがちょっとした手土産を渡すという口実でNさん宅の様子を見に行くことになりました。
「今日は、奥様はご不在で?」
「妻は少し外に出ていまして。娘も一緒です」
娘さんの片方を抱えながら出迎えてくれたご主人は、仕事で疲れているようではありましたがご近所さんが危惧しているような心配はなさそうでした。他愛もない会話をして帰ろうとした折、Oさんはお手洗いを借りることにしました。
「廊下の突き当たりにありますので」
年明けのひんやりとした廊下の空気。
ふと、途中にあった和室に目が行きました。襖が中途半端に開けられており、部屋の様子が視界に入ってしまったのです。
ガランとした家具のない和室。
その四隅に40cm四方くらいのダンボールが置かれているのが記憶に残ったそうです。
お手洗いから戻り、家を後にしたOさん。ご近所さんに『お元気そうでしたよ』と告げてその日は家に帰りました。
しかし、事態はOさんの予想を超えて進行していたのです。









