この記事の連載

 『アル中ワンダーランド』や『湯遊ワンダーランド』など、自身の体験を赤裸々に綴った作品が発表されるたび話題を集める漫画家・まんきつさん。

 新作『そうです、私が美容バカです。』では、自他ともに認める“美容オタク”のまんきつさんが、多角的に、そしてがむしゃらに美を追い求める姿が描かれています。

 美容にハマったきっかけや、これまで試した中でいちばん良かった美容法について聞きました。インタビュー【後篇】を読む

まんきつさんインタビュー【後篇】を読む
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泡洗顔に、顔脱毛。美容にのめり込み始めた20代前半

――“美容オタク歴23年”とのことですが、いちばん初めにハマった美容法を覚えていますか?

 いちばん初めはごくシンプルに、“泡洗顔”にハマりました。とにかくモッコモコに泡立てるのが楽しくて。

 洗顔フォームはドラッグストアで買えるような安いものでもいいんですよ。しっかり泡立ててから洗うと、毛穴の奥まで入り込んで汚れが落ちるような感覚があって、これだけは未だにずっと続けています。時々面倒くさくて“モコ”くらいの泡で洗っちゃいますけど(笑)。

――泡洗顔がまんきつさんの原点なんですね。そもそも、美容にのめり込むようになったきっかけは、なんだったのでしょう?

 大学生の頃から1人行動することが多くて、1人でパッと回転寿司に行ったり、井の頭公園で1人でボートを漕いだりしていたんですね。今でこそ“おひとり様”という言葉もありますが、当時は「友達がいない、気の毒な人」と思われることの方が多くて……。

 でも、肌もキレイにして、ちゃんとした格好をしていたら、1人でも逆にかっこいいよなって思ったんです。

 今もボサボサの格好では1人で牛丼屋に行くのは躊躇するけど、キレイにしていたらパッと行って、サクッと帰ってこられますし。自信を持てるというか、甲冑を身に着けているような気分になるというか(笑)。

――確かに、凛として見えますよね。初めて受けた美容医療は何でしたか?

 顔のレーザー脱毛です。

 当時は顔の産毛がびっしり生えていて、眉毛が繋がっていたんですよ。それが本当にいやで、伸びてくるたびに抜いたり剃ったりしていたんですが、大変だし、お肌にも悪そうだなと思ったので、25歳の頃に受けました。

――25歳で毎月、脱毛に通うとなるとお財布的にも厳しかったのでは?

 確かに20年前は脱毛は高価で、全身脱毛ともなれば数十万という時代でした。とにかく安い所を探して探して、1回1万円で受けられるクリニックを見つけて、隣の県まで車で通っていました。今のような口コミサイトもなかったので、主に「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の美容板が情報源でしたね。

2024.06.08(土)
文=河西みのり
写真=細田 忠