この記事の連載

鏡に映る自分が、ちょっとだけ好きになれる

――色々試された中でやって良かったことは?

 歯の矯正です!

 きっかけは、八重歯が大きいことに対してコンプレックスがあったのですが、オーストラリアへ留学中、何度も「あなたは絶対に矯正をするべきだ」と強く言われたことでした。海外の人って、歯並びに対する美意識が高いんですよね。

 それを見たり聞いたりしていたら、確かにやった方がいいかも……と思うようになり、帰国後に母に「矯正したい」と話しました。

 ところが母には猛反対されてしまったんですよ。仕方なく、自分で探した矯正歯科へ行ったら、高額な医療ローンを組まされることになり、学生だったので保護者に連絡が行ってしまって。結果として「そんな怪しい所で受けるくらいなら、私が出すから」と母が言ってくれて、上手な先生のもとで矯正することができました。その時に親知らずも含めて、結果的に歯を6本抜きましたね。

 そうしたら、中学生の頃に“弁当箱”とまで言われるほど四角かった輪郭がシュッとなったんですよ!

 それまでは八重歯が気になって口を開いて笑うこともできなかったのが、ニッと口を開けて笑えるようになりましたし、歯並びが良くなったことで口がちゃんと閉じられるようになって、「上唇が歯に触れてる!」と感動しました。

 美容医療でいうと、いちばん良かったのは漫画にも描いた「切開リフト」です。

――切開リフトについては、『そうです、私が美容バカです。』の中で、カウンセリング後に一度はやめようと思ったものの勇気を出して施術を受ける様子や、ダウンタイムに顔がパンパンに腫れ上がってしまったことなど術前術後のことが赤裸々に描かれていて印象的でした。

 それくらい一大決心だったんです。ダウンタイムは辛くて術後2週間は地獄でしたね。腫れが引いてからも、5か月くらいは傷がビリッと裂けてしまいそうで寝返りを打つのが怖かったです。

――ちなみに、いくらぐらいかかったのか伺っても良いですか……?

 100万円でした。高いと思われるかもしれませんが、これでも安い方で、色々調べると300万円の所もあれば500万円の所もあったり……。

 切開リフトは10年間持続するといわれているので1年あたり10万円として、ハイフやら色んな美容医療を受け続けることを考えるとお得なんじゃないか? って。

――そう言われてみると、そうですね。漫画の中でもまんきつさんが描いていたように、完全に自己満足だけれど、鏡で自分の顔を見ても「落ち込まなくなる」って大きいですね。

 完全に自己満足の世界ですよね。最近やったものでは、腰の脂肪冷却も良かったですよ。

――逆に、失敗したものはありますか?

 美肌レーザーを当てすぎて“ビニール肌”と呼ばれる、角質層が薄く刺激に弱い状態になってしまいました。

 それから、レーザーだけが原因ではないかもしれませんが、肝斑も出てきてしまって。何事もやりすぎは禁物ですね。

» インタビュー【後篇】に続く

まんきつ

1975年、埼玉県生まれ。サウナ好きが高じてサウナを舞台に描いた漫画『湯遊ワンダーランド』(扶桑社)が2023年にドラマ化もされ話題となった。その他の著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)など。現在はマガジンハウスにて『そうです、私が美容バカです。』(新シリーズ準備中)、「週刊SPA!」にて『犬々ワンダーランド』連載中(1巻発売中)。AuDeeでは隔週で「まんきつのぶらり美容放浪記~美容ワンダーランドへ小旅行」を配信中。
https://shuro.world/manga/biyoubakadesu/

そうです、私が美容バカです。

定価 1,210円(税込)
マガジンハウス
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次の話を読む「ヤフオクで買ったヒルに血を吸わせてます」美容オタク歴23年”の漫画家 まんきつの若返り法が凄い…

2024.06.08(土)
文=河西みのり
写真=細田 忠