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 春は新しい生活が始まる季節。ワクワクする気持ちもありますが、環境が変わると、なんとなく落ち着かなかったり、いつもより疲れを感じたりすることもありますよね。

 朝、バタバタと準備をしながら「今日も一日頑張らなきゃ」と気合いを入れたり、気づいたら、ため息まじりに「ちょっとひと息つきたいな…」と思ったり。知らず知らずのうちに心や体が疲れてしまうこともあるかもしれません。

 そんな時にそっと寄り添ってくれるのが「食」の力。薬膳には、季節の変わり目にゆらぎやすい心と体を整えてくれる食材がたくさんあります。そこで今回は、国際中医薬膳師のさとうあいさんに、心が乱れやすい今の季節におすすめの薬膳食材と、日常に取り入れやすい活用法を伺いました。

 食べることは、毎日のこと。ちょっとした工夫で、心も体もふんわり軽く整えられます。春の変化を楽しみながら、穏やかな気持ちで過ごしていきましょう。

◆キャベツ

 気持ちを落ち着かせて、穏やかな気持ちに導いてくれるキャベツ。リラックス効果があり、ストレスでこわばった体を和らげて、心を整えてくれます。

 さらに、消化不良や胸焼けなどの、胃腸の不快症状にも効果があります。ストレスが溜まると、胃腸に負担がかかり、消化不良を引き起こしやすくなります。消化不良になった食べ物が原因で、胃腸の活動が低下し、便秘やめまい、むくみ、落ち込みやすさなどの不調が現れます。

 ストレス対策には胃腸ケアが大事だと、薬膳でも考えられていますよ。

 おすすめの食べ方は、消化のいいスープやお粥に取り入れること。煮込むと甘みがアップするキャベツは、火の通りも早いので忙しい日でもさっと作れる一品です。お粥に加えれば、優しい味わいで胃腸にも負担をかけず、朝ごはんや体が疲れた日の夕食にもぴったりです。

 体の疲れをより感じる場合は、鶏肉や卵と一緒に調理してみましょう。

2025.04.08(火)
文・撮影=さとうあい