今後の発展が楽しみなジャンル

 以上のように、全体的な使い勝手はAirTagほどこなれていないものの、Androidの標準アプリで動作することに加えて、近距離での検索に役立つ「付近を探す」に対応しているのは本製品の利点でしょう。また4000円前後するAirTagと違い、本製品の価格は3000円を切っているほか、セール時にはクーポン利用で1000円台となったこともあり、コスト面では優秀です。

 一方で前述のように、位置情報の更新間隔が長めなのは要注意です。高速道路に乗ると途端に反応が鈍くなることからして、一定以上の移動速度になると位置情報の書き換えがストップする仕様の可能性がありますが、Find Hub対応の紛失防止タグの種類がまだ少ない現在では、これらの挙動がFind Hub対応タグに共通する仕様なのか、それとも特定の製品に限った特徴なのか、判別しづらいのも困りものです。

 機能がほぼ横並びのApple「探す」アプリに対応した“ジェネリックAirTag”製品群と異なり、Find Hubに対応したAndroid向けの紛失防止タグは各社ごとに機能がさまざまで、海外ではAirTagと同じUWBを搭載することで、具体的な距離や方角を表示可能な製品も登場しています。

 本製品もコスパを考えると十分に「あり」なのですが、国内でいえばまだ競合製品が少なく、今後さらに幅広い用途に使える製品が登場する可能性があることは、購入に当たって頭に入れておいた方が良さそうです。

2025.09.07(日)
文=山口真弘