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お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第41回は、令和ロマン・松井ケムリさん。
現在はシンガプーラのイト(メス、3歳)と暮らしています。コビトカバを見るためにシンガポール動物園へ行ったり、オランウータンを見るためにボルネオへ行ったりと幼い頃から動物が大好きで、多くの生き物を飼っていたという松井さん。実家で初めて迎え入れたシンガプーラの幸子(さちこ)から自分に向けられる好意にある種の衝撃を受け、猫が好きになったそうです。
言語能力に長けているはずなのに、幸子やイトの話になると「かわいい」だけしか出てこなくなる松井さん。愛猫の幸せを常に考えていると言います。
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“感情”で猫の名前をつけるこだわり

――今はイトちゃんと暮らしているそうですが、元々ご実家でも猫を飼っていたんですよね。
実家でイトと同じシンガプーラという種の猫を飼っていました。今は全然会えてないんですけど、幸子という10歳くらいのメスで、名前は僕がつけました。
――なぜ幸子?
本気で名前を考えた時に、猫は人間と比べて意思疎通は難しいなと。となると、主観で何かを願うなら「幸せ」以外ないなと思ってつけました。僕、生き物の名前は全部、幸子でいいなって。幸子以外は人間の傲慢だとさえ思ってます。ちなみに、イトちゃんは「いとおしい」からつけました。感情でしか名前をつけたくないんですよね。

――幸子ちゃんはどんな経緯で迎え入れたんですか?
きっかけは母親でしたね。小学校の頃から仲よくしているおうちが猫を飼い出したんです。母もそのおうちにお邪魔するうちに、その気になったのかな? なぜシンガプーラにしたのかはわからないですけど、姉と一緒に探して見つけて迎え入れたのを覚えてます。
幸子との暮らしは本当に素晴らしかった。実家ではそれまでにクサガメ、リクガメ、フェレット2頭、カブトムシ、クワガタなどを飼ったことはあったんですけど、そういった生き物たちから人間への好意を感じたことはなかったんです。けど、幸子からは好意をすごく感じて……結構衝撃的でした。かわいすぎる……本当にかわいい。今もその気持ちは変わらないです。……うん、かわいすぎる。

――ケムリさん、言語能力に長けているはずなのに、猫となると一瞬で失いますね。
それだけかわいいということです。イトちゃんもシンガプーラなんですけど、2匹とも性格は近いと思っていて、犬のような性格。いわゆる我関せず的なことがなくて、ずっと人間のあとをついてくるんです。えーーっと……うん、本当にかわいい。ふふっ! かわいいんです。かわいい以外ないですよね、自分にあんなにも興味を持ってくれるんだから。
それに、猫って2~3歳児くらいの知能があると聞くじゃないですか。そうか、2~3歳の子供くらいなんだと思うとかわいくてしょうがなくなって。転んだら気まずい顔をしたり、高いところから物を落として“やっちゃいました”みたいな顔をしたりするじゃないですか。そういうところを見るとすげぇなって思います。
『M-1』取材時のイトちゃんの行動が…

――幸子ちゃんでシンガプーラのよさに目覚めたということは、イトちゃんも同じ種で探して見つけたということですか?
そうですね。(実家を出てからも)ずっと猫を飼いたくて。今の時代、ペットショップで見つけるのはどうなんだっていう風潮はありますけど、探しました。猫と一緒に暮らすためにペット飼育可能なマンションに引っ越して。伝え方が難しいんですけど、シンガプーラってあまりいないので見つけると迷う余地がないんですよ。なので、ペットショップに一度見に行って抱っこさせてもらった帰りに迎え入れることを決めて、翌日迎えに行きました。
――最初から関係は良好だったんですか。
そうですね。さっきも言ったように犬っぽい性格で、僕がいる近くに必ず来ますし、少し家を空けるとめっちゃ怒ってくるところもかわいいです。けど、『M-1』の取材で家に取材の人が来た時、僕と同じくらい懐いてて、あぁ、誰にでもそうなんだなと。誰が来ても同じように懐いてるから、こんな猫はいるんだと驚きましたね。
そこは幸子とは違います。幸子は家族のことが好きで、みんなにはついて回るんですけど、知らない人が来たら隠れたりと人見知りではあるんです。けど、イトちゃんは人間にずっと興味津々ですね。
2025.06.06(金)
文=高本亜紀
撮影=細田 忠
写真=松井ケムリ