BMSG主催のオーディション番組「THE LAST PIECE」から誕生した新ボーイズグループ「STARGLOW」のメンバーに選ばれたKANON。2025年10月24日(金)公開の映画『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』では、“日穏(KANON)”として初主演を飾るなど、俳優としても注目を集めている。

 アーティストとしてのデビューも決まり、ますます目が離せない存在に。

 後篇では、BMSG主催のオーディション「MISSIONx2」「THE LAST PIECE」を経てデビューに至るまでの“アーティスト”としての道のりをインタビュー。

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オーディションの概念を覆された「THE FIRST」の存在

――2022年にBMSG主催のオーディション「MISSIONx2」に応募された理由は?

 中学の頃、所属していた劇団で歌やダンスのレッスンをやっていく中、どんどん音楽が好きになっていきました。マイケル・ジャクソンみたいなR&Bや、ちょっと昔のポップスとか、自分の“好きな音楽”を探すのがすごく楽しくなったんです。

 そんな時にテレビで『THE FIRST』を見たんですよね。それまで自分が思ってた“オーディション”って、もっと堅いというか、決められた枠の中で評価されるイメージだったんですけど、それが一気に覆されて。「こんなに自由なオーディションもあるんだ!」って衝撃を受けました。

――ちなみに、その時はボーイズグループに興味はありましたか?

 正直、まったく興味がなかったんです(笑)。音楽も、あくまで“聴く専門”で、自分がアーティストになるなんて具体的に考えたこともなくて。でも「THE FIRST」を見たときに、ふいに“もしかしたら僕みたいな人間でも受け入れてくれるかもしれない”って、勝手にそう思って(笑)。

 それで、その数ヵ月後に募集が始まった次のオーディション「MISSIONx2」に応募しました。

――「MISSIONx2」では、「MAZZEL」のメンバーを決めるファイナリスト10名に選ばれるも、残念ながら落選。その際、事務所社長のSKY-HIさんが言われた「『MAZZEL』のベストとKANONのベストが今は噛み合わないような気がした」というコメントを聞いて、どのように思いましたか?

 最終審査まで進んでいく中で、正直、自分が「MAZZEL」に入っているイメージがまったく持てなかったんです。この先、俺どうなるんだろう? って、ずっとモヤモヤした気持ちがあって。もともとは俳優を目指していたのに、急にアーティストのオーディションにチャレンジしてる状態だったので、アーティストとしての覚悟や責任についても、あまり深く考えられてなかったんですよね。

 そのうえ、自分の“これ!”っていう強みもまだ見つけられていませんでした。だから、日髙(SKY-HI)さんからコメントをもらったとき、どこか納得する自分がいました。もちろん悔しかったですけど、「こんなふわふわした気持ちで受かってたら、それはそれで危ないでしょ」って、自然と腑に落ちたんです。

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