人の心を動かすアーティストになりたい

 

――それを機に、練習生(トレーニー)として、BMSGに所属。そこから、次のオーディション「THE LAST PIECE」までの間に、どんなことを考えられましたか?

 ただ音楽を“聴く側”だった頃から、「音楽は楽しむもの」だと思ってました。「自分が楽しめればそれでいいじゃん」くらいの感覚だったんですよね。でも、発信する側、つまりアーティストとして活動していく中で、それだけじゃダメなんだって気づきました。

 音楽の受け取り方って、人によって全然違うし、自分が発信することで「誰に、どう届くか」をちゃんと考えるようになったんです。それと同時に、「自分の理想のアーティスト像ってなんだろう?」と未来を想像したり、「ちょっとしたミスが、どれだけ多くの人に迷惑をかけるのか」という責任の大きさも、すごく意識するようになりました。

――そのほか、SKY-HIさんからかけられた印象的な言葉は?

 「MISSIONx2」のときに言ってもらった言葉で、いちばん印象に残ってるのが、“5年後、10年後に、自分がどういうアーティストになっていたいのか、ちゃんと考えられるようになってほしい”っていうアドバイスです。それから僕も、自分なりにいろいろ考えるようになって、「どんなアーティストになりたいか?」って思い浮かべたときに浮かんだのが、“人の心を動かせるアーティスト”。ライブが終わったあとに、お客さんが「本当にいいライブだったね」「めっちゃ楽しかったし、感動した」「明日からまた頑張ろうって思えた」って、そんな風に感想を話してくれたら嬉しいです。

――「MISSIONx2」に比べると、「THE LAST PIECE」はさらに周囲の反応や反響が大きかったと思います。

 「THE LAST PIECE」に出たときにすごく感じたのが、オーディションを観てくださってる方の“見方”が変わってきたなってことです。「MISSIONx2」のときは、「顔が好き!」とか「声がいい!」のような、わりと直球の声をたくさんいただいていて、それはそれでめちゃくちゃ嬉しかったんですけど、「THE LAST PIECE」では、「この表情にこんな感情が詰まってたのが伝わった」とか「ここの歌い方に惹かれた」みたいに、より細かいところまで見てくださっている方が増えて。

 ある意味、自分が成長できたからこそなのかなと。成長していく姿をリアルにお見せすることができたので、応援してくれる人もどんどん増えていったのかなって感じています。

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