ここのところ、国内でもちょくちょく見かけるようになってきたのが、Androidの「Find Hub」アプリに対応した紛失防止タグです。Appleでいうところの「AirTag」に相当するこれらの製品は、位置情報をAndroidスマホやタブレットから検索できることから、荷物に取り付けておくことで、忘れ物や落とし物の防止に役立ちます。

 今回は、国内メーカーであるロジテックINAソリューションズ(以下ロジテック)が今月に発売した、Find Hub対応の紛失防止タグ「LGT-BETG1 G」シリーズを例に、なぜこれまでAndroidでこうした製品がなかったのか、Find Hub非対応製品との違いは何か、またAppleのAirTagと比べた場合にどのような違いがあるかを見ていきます。

Androidに「AirTag同等品」がなかった理由とは

 まずは、Find Hubがどんなものかを見ていきましょう。Find Hubは、自分が持っているデバイスなどの位置情報を検索するためのアプリで、Android 16以降に標準搭載しているほか、Android 9以降でもアプリを追加すれば利用できます。

 Android対応の紛失防止タグはすでに数多く市販されていますが、それらは位置情報を検索するために、各メーカーの独自アプリをインストールする必要がありました。タグを外出先で紛失した時、同じアプリがインストールされたユーザのスマホが近くにないと位置情報を検出できないため、検索性能には自ずから限界がありました。

 一方、AirTagおよびその互換製品の検索に用いるAppleの「探す(Find My)」アプリは、iOSと一体化して提供されているため、アプリをインストールしなくとも、事実上あらゆるiPhoneを使って位置情報を検索することが可能でした。iPhoneの圧倒的なスマホシェアを考えると、独自アプリをインストールしなくてはならないAndroid用の紛失防止タグは、メーカーがいかに工夫しようとも、対抗のしようがなかったのが現状です。

2025.09.07(日)
文=山口真弘