夜な夜なマンガに夢中になる大人が急増する中、2022年に誕生した「CREA夜ふかしマンガ大賞」。眠りにつく前の自分だけのひとときに、ページをめくりながら癒され、息を呑み、泣いて笑って──。第4回となる今年も、日常のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる名作が揃いました!
今回は、マンガ家さんと二人三脚で数々の名作・ヒット作を生み出してきたマンガ編集者の方々に選考委員を務めていただきました。「夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品」「人生で思わず夜ふかしして読んだ作品」「マンガを読むときのマイルール」など、マンガ好き必読のアンケートです。
芝泰穂さんが「夜ふかしマンガ大賞に推薦するマンガ」
◆『サンキューピッチ』住吉九/集英社

神奈川県の高校球児の間で、囁かれているある噂。それは、夜な夜な現れては「3球勝負」を挑む謎の男、「野球部狩り」──。驚異的な豪速球を持ち、勝負に負けたことがないという。野球部キャプテンの小堀は「野球部狩り」が自身の通う高校にいると推測し、悲願の甲子園出場のため、男を勧誘しようと自ら囮となることを決める。
「チームの『3球しか全力投球できない豪腕投手』をどう試合に組み込むか? 高校生たちの戦略が鮮やかで面白いです。野球部のブレーンたちによる緻密な心理戦の最中、呑んだくれ女性監督(野球のルールを知らない)の気の抜けたコメントが挟まれるのがツボです。試合展開の説明が分かりやすいので、野球に詳しくない方にもおすすめです」
◆『ややこしい蜜柑たち』雁 須磨子/祥伝社
「びっくりするほどこじれた三角関係が描かれていて、『一体どういうこと!?』と惹き込まれました。ひとつひとつの感情が紐解かれるごとに『わかる~その気持ち』と思うタイミングが増えてきて、より夢中になりました。絡まり合った恋愛がこの先どうなるのか楽しみです」
◆『本なら売るほど』児島青/KADOKAWA
「街の小さな古本屋で様々な書籍と出逢うマンガです。森茉莉『恋人たちの森』の『枯葉の寝床』の一節が描かれるシーンがとっても美しいので、森茉莉ファンの方に超おすすめです」
- date
- writer
- staff
- 文=CREA編集部
- keyword