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 春になると、気温や湿度の変化で体がちょっと不安定になりがち。特にこの時期は、朝起きたときや、ふとしたタイミングで、足がふわっと浮くような感じがしたり、体の力が抜けるようなめまいを感じやすくなります。

 忙しい朝に調子が悪いから食事を手抜きしてしまう、ということもあるかもしれません。しかし、そんな時こそ食事で体を整える大切なチャンスです。

 実は、朝食に少しの工夫を加えることで、めまいや疲れを和らげ、元気に1日をスタートさせることができます。そこで今回は、国際中医薬膳師のさとうあいさんに、朝ごはん向きのめまい対策薬膳レシピを伺いました。特別な食材がなくとも、手軽に作れる薬膳メニューになっているので、忙しい朝に元気をチャージできますよ。

 春の体調不良を食事でサポートし、一日をもっと快適に過ごすための第一歩として、ぜひ試してみてください。

◆大豆とひじきの煮物

 ひじきや干し椎茸、大豆は、体の内側から元気を支えてくれる力があります。鶏ひき肉や小松菜を加えることで、ふらつきや疲れを感じるときのサポートに。さらに、梅干しの酸味には、体にこもった余分な熱をやわらげたり、気分をスッキリさせてくれる働きがあるので、朝のぼんやりした気分をシャキッとさせてくれる嬉しい効果も。

 コトコト煮込むことで味がじんわり染み込み、鰹節と醤油麹の風味が香る優しい味わいに仕上がります。ごろっとした大豆やシャキッとした小松菜の食感も楽しく、朝から心もお腹も満たされる薬膳レシピです。前日に作り置きしておけば、すぐに食べられるので、ぜひ忙しい朝の常備菜として、取り入れてみてください。

●材料(4人前)

・ひじき:10g
・大豆水煮缶:80g
・鶏ひき肉:50g
・干し椎茸:3枚
・小松菜:3株
・鰹節:5g
・梅干し:1~2個
・ごま油:小さじ1
・醤油麹:小さじ1(または、醤油:小さじ1+みりん:小さじ1/2)

●作り方

(1)小松菜は、株を切り落とし、4センチ長さに切ります。

(2)ひじき、干し椎茸は水で戻します。

(3)鍋にごま油、水切りをした(2)のひじきを入れます。千切りにした(2)の干し椎茸を入れて混ぜながら加熱します。

(4)油が全体に絡まったら、鶏ひき肉を入れて炒めます。

(5)鶏肉の赤みがなくなってきたら、大豆水煮缶、鰹節を入れます。椎茸のもどし汁、水を適量入れて、焦げ付かないように、弱火で煮込みます。

(6)ひじきがやわらかくなってきたら、(1)の小松菜、みじん切りにした梅干しを入れます。

(6)小松菜がしんなりしてきたら、醤油麹、または醤油+みりんで味を調えて完成です。

2025.04.22(火)
文・撮影=さとうあい