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◆黒木耳とキャベツのお味噌汁

 黒木耳は、女性に嬉しい栄養がたっぷり含まれた薬膳食材のひとつです。体の中に必要な潤いや栄養を補い、不快なめまい症状を和らげてくれます。弱火でじっくり煮込むと、とろりとした食感に仕上げることもできます。今回は乾燥木耳を使用しましたが、生木耳を使っても美味しく召し上がれますよ。

 キャベツは、胃腸を整え、心と体を落ち着かせてくれる効果があります。火を通すと自然な甘みが出て、心までほっとする味わいに。

 朝ご飯には温かい汁物を食べることが、胃腸を元気にする秘訣です。冷たいフルーツや、生野菜の代わりに、一杯の温かいお味噌汁を習慣にして体を優しく整えていきましょう。たくさんの野菜を用意することが難しければ、黒木耳や乾燥ワカメ、アオサなどの乾物を具材に利用してもいいですね。

●材料(4人前)

・乾燥黒木耳:10g
・キャベツ:80g
・じゃがいも:2個
・えのき:0.5袋
・味噌:適量
・だし汁:800cc

●作り方

(1)黒木耳は水に入れて戻します。やわらかくなったら、食べやすい大きさに切ります。

(2)キャベツはざく切り、えのきは株を切り落として食べやすい大きさに切ります。

(3)じゃがいもは皮をむき、半月切りにします。

(4)鍋にだし汁を入れ、(1)の黒木耳、(2)のキャベツ、えのきを入れて加熱します。

(5)キャベツがやわらかくなったら、(3)のじゃがいもを入れます。

(6)じゃがいもがやわらかくなったら、味噌で味付けをして完成です。

忙しい春こそ、朝ごはんで自分を整える

 春は、知らず知らずのうちに心も体も揺らぎやすい季節。めまいを感じたら、今回ご紹介した朝ごはんに活用できる薬膳の知識をきっかけに、生活を少し見直してみませんか。

 朝はなるべく温かいものをお腹に入れて、体の内側からふんわり目覚めさせてあげるのがポイント。体調が整ってくると、不思議と気持ちにも余裕が生まれ、日々の疲れや不調が和らいでいきます。

 忙しい毎日でも、朝の時間にほんの少し目を向けるだけで、体と心の調子が整いやすくなります。とくに春から初夏は、めまいやふらつきといった不調が出やすい時期。そんなときこそ、朝ごはんでバランスを整えることで、気持ちのよい一日がスタートできますよ。

 薬膳の知恵を、日々の食事や生活に無理なく取り入れることは、自分や家族を大切にするやさしい習慣。春の揺らぎと上手につき合いながら、心地よく健やかな毎日を育んでいきましょう。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

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Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2025.04.22(火)
文・撮影=さとうあい