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 春の訪れは、心踊る季節。暖かい陽射しの中で、花々が咲き誇り、軽やかなファッションを楽しんだり、お花見やピクニックを計画したり、春の旅行を心待ちにされる方もいらっしゃるでしょう。

 しかし、花粉症に悩む方にとっては、少し憂鬱で辛い時期となります。鼻水やくしゃみ、目のかゆみといった不快な症状が日常生活に影響を及ぼし、せっかくの春の楽しみが台無しになってしまうことも。そこで、国際中医薬膳師のさとうあいさんに、春に旬を迎える食材や食べ方、睡眠について、今すぐ取り入れられる薬膳の考え方に基づく8つの暮らしのヒントを伺いました。

 今年は特に、花粉の飛散量が多いと言われています。花粉症の症状を軽減させるためには、体の内側からのケアが欠かせません。今回は、老廃物の排出や解毒、そして、目の痒み対策に効果的な食材をご紹介します。毎日の食事や生活に少しの工夫を加えて、より快適な春を過ごしてみませんか。


老廃物の排出、解毒の食材

 体内に蓄積された老廃物や毒素は、アレルギー反応を悪化させる原因になります。薬膳では、食材が持つ効能を利用して、不用なものを排出させることが重要とされています。

◆菜の花

 春を代表する美しい菜の花は、血流を良くし、体内の炎症を和らげる性質を持っています。春先にみられる花粉症は、体の熱が増加することによって悪化することがあります。菜の花は、体内の余分な熱を取り除き、体のバランスを整えてくれます。特に、鼻水が粘り気を帯びたり、濃くなったりする場合には、ぜひ取り入れてみてください。

 菜の花は、軽く茹でてサラダやおひたしにするのもおすすめです。春の訪れとともに、菜の花を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。

◆竹の子

 花粉症のシーズンに、くしゃみや鼻水に悩まされる方におすすめなのが竹の子です。竹の子は、体の余分な水分をスッキリ排出する手助けが期待できます。春の訪れとともに、体が反応して、水分が溜まりやすくなりますが、竹の子の力を借りることで、体の熱を和らげることができます。

 竹の子を使った煮物やサラダ、炊き込みご飯などさまざまな料理に取り入れて、春の味覚を楽しみながら、花粉症の症状を軽減しましょう。

◆ごぼう

 ごぼうは、豊富な食物繊維を含み、腸内環境を整えることで老廃物の排出を促進します。体内の不要なものをスムーズに排出することで、アレルギー反応を軽減することができます。特に春は新陳代謝が活発になる時期なので、ごぼうを取り入れることで、デトックス効果を高めることができます。

 ごぼうと竹の子を炒めて、常備菜にするのもおすすめです。ごぼうのシャキシャキとした食感と、竹の子の歯ごたえが組み合わさり、食べ応えも抜群です。

2025.02.21(金)
文・撮影=さとうあい