
鎌倉駅から徒歩5分、地元民から通称“レンバイ”の名で親しまれる「鎌倉市農協連即売所」と、併設の「鎌倉中央食品市場」。野菜をおトクに買うことができる市場のほか、イートインできるローカルグルメやハイセンスなセレクトショップなどが集まる、知る人ぞ知る鎌倉観光の穴場です。
昨年から今年にかけて、アパレルショップや製麺所支店など、新店もオープン。話題が尽きないレンバイの最新事情をレポートします(全4回中の第4回/第1回はこちらから)。
気の合う仲間で立ち上げた、たった3坪の人気デリ
16年前、鎌倉・由比ガ浜でスタートし、通称レンバイ(鎌倉市農協連即売所)内に移転して今年で丸10年。今や鎌倉のローカルアイコンとしてすっかり定着した「DAILY by LONG TRACK FOODS(デイリー・バイ・ロングトラックフーズ)」は、いつの時代もときめきを与えてくれる、特別な存在です。
この小さなデリを立ち上げたのは、鎌倉の暮らしを楽しむ女性たち。おしゃれと食に敏感な彼女たちが持つ美意識と丁寧な暮らしが重なり合い、日々の食卓に寄り添いながらも、ちょっと心が浮き立つような“おいしい”と“かわいい”を届け続けています。


店があるのはレンバイの一番奥。入り口にあえてドアを設けないことで、誰もが気軽に立ち寄れて、市場で働く人たちもふらりと顔を出す――。そんな開かれた雰囲気も、この店の大きな魅力です。「DAILYでドレッシングやディップを買った人たちが、市場で野菜やパンを買ってくれて。いい循環が生まれています」と、市場の人たちも口を揃えます。そんな”おいしい輪”が自然に広がっていくのも、レンバイならではの魅力です。
2025.07.26(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=鈴木七絵