自然体で、来た球を打ち返すような姿勢でいたい

――それでは作品の見どころを教えてください。

 中学生、高校生の方はもちろんですが、20代、30代以上の方にも絶対に共感してもらえる作品になったと思います。今だったら携帯やネットなど、電波を通して想いを簡単に伝えられると思うのですが、そうできなかった時代の想いを描いた作品なので、そんな愛おしい時間を思い出してほしいと思っています。

――今後、将来的にどのような俳優を目指したいですか?

 あまりこうなりたいと決めつけず、できるだけ自然体で、来た球を打ち返すような姿勢でやれたらな、と思います。将来像については今後固めていきたくなったときに、いろいろと考えればいいかなと。大学を卒業して、これからは今まで自分がしてこなかった経験をする期間だと思っているので、本を読んだり、映画を観たり、いろいろな方に勧められたものをどんどんしていこうと思います。映画でいえば、これまでは『ミッション:インポッシブル』シリーズとか、最近では『パシフィック・リム』などの大作系が好きだったのですが、ジム・ジャームッシュ監督や園子温監督の作品などを観るようになりました。

竹内太郎(たけうちたろう)
1990年4月8日、東京都生まれ。2010年、ドラマ「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」で俳優デビュー。その後、「土曜ドラマスペシャル 蝶々さん」や映画『東京難民』などに出演するほか、アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』では声優を務める。

『百瀬、こっちを向いて。』
パッとしない毎日を過ごす高校生・ノボル(竹内太郎)は、先輩・宮崎に隣のクラスの百瀬(早見あかり)を紹介され、ある提案をされる。それは宮崎が恋人の徹子(石橋杏奈)がいるにもかかわらず百瀬と付き合っているという噂を払拭するため、彼女とノボルが恋人を装うというものだった。
(C) 2014 映画「百瀬、こっちを向いて。」製作委員会
http://momose-movie.com/
5月10日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.04.25(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹