藤原竜也と山田孝之が初共演を果たしたアクション・サスペンス『MONSTERZ モンスターズ』で、山田演じる終一の親友・ジュン役を演じる落合モトキ、23歳。「やっぱりさんま大先生」出身の子役から、見事にイケメン俳優に成長した彼の、約20年の芸歴を振り返る。
「さんま大先生」は、もうひとつの学校だった
――4歳の頃にスカウトされ、子役としてデビューされた落合さんですが、そのときの心境はどうだったんでしょうか?
どこでスカウトされたとか記憶にないんですが、母親が事務所の人から名刺をもらったようで、僕としては気付いたら、この仕事をやっていた、という感じですね。母親に「頑張ったら、ゲーム買ってあげるから」と言われて、オーディションを受けに行っていたことは覚えていますね(笑)。
――その後、バラエティ番組「やっぱりさんま大先生」のレギュラー出演で注目されますが、その頃からプロ意識みたいなものは芽生えていたのでしょうか?
あのときは、特に自分で面白いことを言おうとか、考えていたわけではないですね。母親同士も仲がいいし、もうひとつの学校というか、塾に行っているような感じでした。ただ、母親には「いっぱい喋らないと、TV映らないよ!」と言われていましたね(笑)。あの頃は、この仕事を続けていると、このコたちとずっと一緒に仕事をしていくんだろうなと思っていたんです。それだけ狭い世界しか見てなくて。でも、今、連絡先知っているのは(ロックバンド)OKAMOTO'Sのレイジ(三宅零治)くんぐらいしかいないし、その後、(明石家)さんまさんにも一度もお会いしてないんですよ。もし、お会いしたら気を遣って「はじめまして」と言ってしまいそうですね(笑)。
――子役というと、成長期に辞めていく子が多いと思うんですが、落合さんがこの仕事を続けられた理由のようなものはありますか?
僕も、部活をするとか、普通に学生をやりたかったので、途中で辞めたいと思った時期もあったんです。5人しかいないバスケ部なのに、僕が仕事で抜けることになって大会に出られないとか、今考えると申し訳ないことが多かったですから。自分の出る番組を喜んで見ている、親の力は大きかったと思いますね。それに、同い年同士でわちゃわちゃしててスタッフさんに怒られるとか、ここでももうひとつの学校ができたと、自然に割り切ってやっていたのかもしれませんね。
2014.05.09(金)
文=くれい響
撮影=深野未季